工務店のマーケティングにおいて新築の完成見学会は重要なイベントの1つです。新築見学会ではモデルルームにはない実際の住宅の空気感や施主様の満足度の高さなど様々なことがアピールできます。ただし、ただ完成見学会を開催するだけでは大きな効果を期待できません。本コンテンツで紹介する7つのコツに気を付けて完成見学会を実施してください。
参考:工務店の集客イベント10選~具体例とマーケティング手法について~
- 完成見学会を実施するメリット
- 完成見学会への集客方法
- 完成見学会を成功させるポイント
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
完成見学会を実施するメリット
完成見学会には単にモデルルームを見学してもらうだけでは得られない、様々なメリットがあります。
例えば、モデルルームと違って完成見学会で使用する住宅は施主様のライフスタイル、こだわりなどを反映して建てられた住宅なのでリアリティーがあります。特に同じようなターゲットのお客様にその事例を見せることによって、商談がスムーズになる効果が期待できます。
また、施主様という第三者を通じて工務店の仕事の良さや住宅に対する満足度をお客様に伝えることにより、工務店に対する信頼を醸成することにもつながります。
もちろん住宅展示場見学会と同様に実際に工務店が建てた住宅を事例として工務店の仕事に対するこだわりや仕事の良さをアピールする機会にもなります。
完成見学会への集客方法
完成見学会の集客方法としては次のような手法が考えられます。
【オフライン系集客】
- 新聞の折り込み広告
- ポスティングチラシ
- フリーペーパーへの広告・折り込み
- 住宅情報雑誌への広告掲載
【Web系集客】
- ホームページやSNSでの情報告知
- お客様リストに対するメルマガ配信
- 各種Web広告×ランディングページを活用したWeb集客
ただし、完成見学会にたくさんの人を集めるというのは本質的ではありません。あまり多くの人が殺到すると施主様に迷惑になるかもしれませんし、モデルルームのように接客・商談がしやすいスペースではないので、単純に問い合わせを獲得したいのであればモデルルーム集客の方に予算を振り分けた方が良いケースも多いです。
完成見学会は少人数で、できるだけ施主様のライフスタイルやこだわりに近いお客様をお招きして一組一組のお客様と深く商談する方が良いです。そのため商談中のお客様でこの人はと思う方に直接お声がけしたり、メールで個別に案内をしたりといった集客手法を中心にプレミアム感のあるイベントにした方が総合的な満足度は高くなります。
完成見学会を成功させる7つのポイント
完成見学会を成功させるためには次の7つのポイントに注意してください。基本的な手法はモデルルームでの接客と同様と考えれば良いですが、施主様の住宅を使用させていただく分だけ、オペレーションを工夫することと、丁寧な対応が求められます。
集客期間を十分に確保する
イベント系集客で失敗するケースとして多いのが集客期間を十分に設定せずに、直前になって慌てて集客して人が集まらないパターンです。施主様のご都合もあるので完成する2~3か月前には打診して具体的なスケジュール感を決定、集客については最低開催日から1か月以上前から取り組むようにしてください。
メルマガ等のアウトバウンド型の手法で見学者を集める場合は1か月前、1週間前、前日といったようにタイミングを分けて最低3回程度告知してください。
なお、施主様とライフスタイルやこだわりが強くて商談を進めるためにぜひ招待したいお客様に関しては個別にお誘いするべきです。
当日のオペレーションを綿密に打ち合わせる
モデルルームと違い、施主様の住宅は一戸ずつ異なります。そのため住宅案内のオペレーションも完成見学会を実施する住宅に合わせて都度見直すべきです。
お客様を完成住宅に誘導する天順から住宅内で見てもらいたいアピールポイントとセールストークのチェック、商談への誘導の仕方と何らかのイベントを挟む場合はそのイベントの準備、接客スタッフの仕事の振り分けなど決めなければならない手順はたくさんあります。
その場のアドリブで対応しようとするとグダグダになり、お客様満足度が低下してしまうことも多いので、オペレーションの基準はきちんと整理しておくべきです。
おもてなし・親しみのある接客を心掛ける
普段の接客と同様に、おもてなし・親しみのある接客を心掛けることも完成見学会では必要です。親しみのある接客というのは「なれなれしい」とは異なります。
お客様の緊張をほぐすために丁寧な声掛けを行う、一方的の工務店側のスタッフがしゃべりすぎないようにお客様の話を聞くようにするといったようにお客様が快適に見学できるようなホスピタリティーが求められます。
キッズスペース・商談エリアを確保する
見学者のお子様も一緒に見学会に来るケース、見学会の後に商談に移行するケースも想定してスペースを設けた方が良いです。完成住宅内にスペースを設けることが難しい場合は、工務店内のキッズスペースのお子様を預けて完成住宅にお客様を自動車で送迎する、別日に商談のアポを取れるようにスタッフのスケジュールを確保しておく、工務店に戻って商談できるようにするといった準備が必要です。
駐車場や移動手段を確保する
自動車でお客様が来ることを想定して周囲に駐車場を確保してください。また立地の都合上、駐車スペースが用意できない場合は、工務店や最寄り駅からの送迎といったことも考えた方が良いケースもあります。駅から徒歩で訪問できるエリアにある場合でも、お客様が迷わないように誘導スタッフを要所に配置しておくといったことも必要です。
お客様が自動車で来て、不法駐車などが発生した場合はその近隣住民、ひいてはこれからその場所で住む施主様に迷惑をかけてしまうことにもなりかねないので、不法駐車が発生しないように対策、チェックが必要です。
協力してくれる施主様への対応を丁寧に
完成見学会に見学にいらっしゃるお客様も重要ですが、何よりも重要なのが工務店を信頼して完成見学会に場所を提供してくださる施主様への対応です。この時に不手際があり、施主様の印象が悪くなるとその後のリフォームなどの案件に繋げられなくなるかもしれませんし、対応がよければ周囲の住宅に関してお困りごとがあるご友人を紹介してもらえるかもしれません。
謝礼を渡すといったことはどこの工務店でも行っていますが、完成見学会の前後でお手紙を語り、オリジナルのプレゼントを渡したりといったようにやりすぎと思う位、丁寧にフォローしてちょうど良い位です。
必要に応じてオンライン開催も検討する
コロナウイルス騒動以降、オンラインによる見学会、商談も一般的になってきました。このトレンドはコロナが収束しても続くと考えられます。よって、モデルルーム見学をYouTube動画にしたりライブ配信したりするように、完成見学会についても必要に応じてオンライン開催を検討すべきです。
施主様への配慮も必要なので永遠に残り続ける動画配信は負担になるかもしれませんが、ライブ配信程度は許容されうると考えられます。また施主様が見学会にご協力いただけるケースでは記念として動画を軽く施主様向けに編集してプレゼントするといったサービスも考えられます。
参考:オンライン見学会の開き方
完成見学会は施主様対策が重要
新築の完成見学会はモデルルームよりもリアルな住宅について触れられるユーザーにとっても良いイベントです。施主様の都合に配慮しながら本コンテンツで説明した7つのコツを元に良い完成見学会を開催してください。