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工務店がYoutubeを活用する方法

工務店のマーケティングにおいても動画マーケティングは重要な施策になっています。動画マーケティングの際に特に用いられるのがYouTubeです。YouTubeは国内7,000万人以上の月間アクティブユーザーがいて、LINEに次ぐ2番目に用いられているSNSです。

本コンテンツでは工務店がYouTubeを活用してどのようなマーケティングをするのかについて解説します。

本コンテンツで学習できること
  1. 工務店の参考になるYouTubeチャンネル
  2. 工務店が制作すべき動画コンテンツ
  3. 工務店のYouTubeマーケティングのポイント

本コンテンツの学習にかかる目安時間は10分〜15分程度です。


YouTubeが工務店マーケティングに及ぼす威力

YouTubeに限らず、工務店マーケティングにおいて動画が重要な要素になっています。国内で一番大きな動画系のSNSはYouTubeですが、他にもInstagramやTikTokで短尺動画を活用したマーケティングを実施している工務店は少なくありません。

YouTubeのようなプラットフォームで、動画を活用したマーケティングを実施するメリットは次のとおりです。

住宅購入の初期段階の施主様にアプローチできる

大抵の施主様は工務店やハウスビルダーに相談したり、モデルルームを見学したりする前に自身でインターネットを活用して情報収集をしています。そして、その情報収集の手段の一つとしてYouTubeは有力なツールの1つになっています。

YouTubeを通じて検討の初期段階のお客様とつながることにより、新規顧客獲得効果が期待できます。

アップセルの際の営業ツールとしても有効

アップセルのツールとしてもYouTube動画は有効です。自社の素材や施工に関するこだわりをYouTubeにアップし、それを施主様に閲覧してもらい価値を伝えることにより単なる価格勝負を回避できます。

また、営業が口で説明するよりも、動画をベースにユーザーに伝えた方が、ベテラン・新人に関わらず一定のクオリティ以上で相手に価値を伝えられる、施工や素材のこだわりなど口頭だけでは十分に説明しにくいことを明確に伝えられるといったメリットも存在します。

採用ツールとしても使える

動画は採用の手段としても有効です。採用サイトやInstagramなどの静止画をベースにした手法では伝わりにくい会社の雰囲気も動画であればよりリアルに伝えられます。

求職者が事前に会社概要について調べる際にもYouTubeはまっさきに候補に挙がるメディアの一つなので採用マーケティングの観点からも必要です。

工務店の参考になるYouTubeチャンネル10選

では、工務店がやっているYouTubeチャンネルとして具体的にどのようなチャンネルが存在するのか、参考になるYouTubeチャンネルをその理由と共に解説します。

家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】

400本以上の住宅づくりに関する動画を公開しています。また、YouTube動画を公開しているだけではなく、定期的にライブ配信を行い双方向でのコミュニケーションをとっています。

新規集客用の導線もきちんと確保しており、家づくりのチェックポイントや資金計画書などをダウンロードできるホワイトペーパーマーケティングを実施しています。更新頻度も高く、週に2~3本程度のペースで動画を公開しています。

職人社長の家づくり工務店

チャンネル登録者数20万人弱、1,000本以上の動画を掲載している、工務店が運営しているYouTubeチャンネルの中でも大手のチャンネルです。

「施工現場密着シリーズ」「注文住宅で後悔するポイント解説」「ルームツアーシリーズ」など体系的に家づくりに関する情報を提供しています。毎日のように長尺の動画を更新しており、工務店をあげてYouTube動画を活用したマーケティングに力を入れているのがわかります。

相羽建設・郊外暮らしと家づくり

東京都東村山市に拠点を置く工務店で「郊外暮らしと家づくり」というサブタイトルからもわかるとおり、単に家づくりについて伝えるだけではなく、郊外での暮らし・ライフスタイルをイメージさせるチャンネルとなっています。

知識系のコンテンツはあまりアップせずにルームツアーを中心に動画をアップロードしています。特徴的なのは町あるきやローカル座談会といったコンテンツで地域に密着している工務店であることがうかがえます。

「木の家専門店」エコワークス公式チャンネル

木の家をコンセプトにした工務店が運営しているYouTubeチャンネルです。ルームツアーを中心に500本程度の動画が公開されています。動画としてサムネイル、本編ともに綺麗に作り込まれており、シンプルながら住宅に関する施主様、工務店のこだわりや住宅の良さが伝わる動画となっています。

YouTubeに限らず、Instagram、Pinterest、TikTokなど複数のSNSメディアを活用したWeb集客を行っています。

アイ工務店

ルームツアー動画を中心に300本以上の動画を公開しています。概要欄に住宅ブランドとしてのコンセプトを丁寧に記載し、ストーリー性のあるマーケティングをしています。再生リストの一つに「Flower Arrangement〜花とアイのある暮らし〜」というリストがあり、ルームツアーを紹介しながらその空間にあったフラワーアレンジメントを行う動画を公開しています。

多くの工務店がルームツアー動画をアップしていますが、数あるルームツアー動画とどのように自社のルームツアー動画を差別化するのか考える際の一助になります。

メルディアチャンネル MELDIA公式

ルームツアー動画、家づくりに関する知識動画、家のまつわるお金の動画などオーソドックスなコンテンツが100本以上掲載されています。

また、チャンネル登録者数160万人以上のなこなこチャンネル、サッカー日本代表の遠藤航選手といったインフルエンサーをゲストに呼んだ動画も公開しています。

こだわり社長の家づくり革命ch

社長が出演するYouTubeチャンネルです。施工事例紹介一つとっても部屋の中を字幕付きで見せるのではなく、社長が現地で直接解説するので動画に説得力があります。家づくりに関する知識を中心に動画を掲載しており、本編もサムネイルもすべて社長が出演しています。

今回紹介しているのは社長の個人チャンネルのような見せ方をしているチャンネルですが、ルームツアーに関しては別途「クリエイト伸【瀬戸内に暮らす】家づくり」という専用のチャンネルを解説しています。

ホームランディック一級建築士事務所

設計事務所が運営しているYouTubeチャンネルです。全国の携わった施工事例に関するルームツアーをチャンネル内で公開しています。また、採用のためにYouTubeチャンネルを兼ねており、採用告知に関する動画もチャンネル内で公開しています。

サムネイルを見て一目で各住宅のコンセプトが理解できるようにわかりやすいキャッチコピーがつけられています

住宅四天王 エース【注文住宅の建て方解説】

工務店が運営しているのではなく、住宅系のYouTuberが運営しているYouTubeチャンネルです。各ハウスメーカー別の解説動画や住宅メーカーの選び方、土地選び・家づくりに関するお金の情報などさまざまな動画を公開しています。

自社ブランドを持った工務店と比較すると違う視点から家づくりに関する情報提供をしていますが、工務店のYouTubeチャンネル作りに参考になることもあるので確認するべきです。

ロゴスホールディングス 採用チャンネル

北海道のハウスビルダー、ロゴスホールディングスが運営している採用に特化したYouTubeチャンネルです。社長インタビューや社員座談会、社員への密着動画など採用のための動画を公開しています。

YouTubeマーケティングにおいて再生回数は大いに越したことはありませんが、採用チャネルの場合は求職者は閲覧して工務店に対するロイヤリティを高めてくれればよいので、必ずしも再生回数が少ないから効果が出ないといったわけではありません。

工務店が制作すべき動画7選

以上のようにおすすめの工務店が運営しているYouTubeチャンネルについて紹介しましたが、ではより具体的に工務店がどのような動画を作れば良いのかを明確にするために、工務店が制作すべき動画を7種類に絞って解説します。

コーポレートムービー

コーポレートムービーとは会社について紹介する動画のことを指します。また、会社で複数の住宅ブランドを展開している場合は住宅ブランドごとに動画を作成する場合もあります。

コーポレートムービーは様々な用途で活用でき、問い合わせがあった施主様に会社のことを理解してもらうために見せる、求職者の選考に対する意欲を促進するために見せる、単純にYouTube集客に活用するなど様々な用途で使用できます。

いわゆる「会社の顔」となる動画なので、手間もお金も掛けた方がよく、会社の理念やブランドコンセプトを明確にしたうえで、それを表現した動画をプロに依頼した方が良いです。

モデルルーム、施工事例ルームツアー

動画マーケティングにおいてもモデルルームや施工事例のルームツアーといったコンテンツは非常に重要です。動画を活用してモデルルームや施工事例を紹介するメリットはその臨場感にあります。SNSで静止画により施工事例の魅力を伝えるよりもYouTubeで動画を使って見せる方が、この物件の空気感や雰囲気といった要素が伝わりやすく、よりリアリティーを持った工務店の建てた住宅の魅力を訴求できます。

これらの動画制作に関しては頻度が多いのであれば専門家を雇わずに内製化してしまっても良いです。

素材・技術に関するこだわりを紹介する動画

工務店が持っている素材や技術に関するこだわりを紹介する動画もおすすめのコンテンツの1つです。複数の工務店・ハウスメーカーを比較検討中の施主様に自工務店を選んでもらう際にも使用しますし、クロスセル・アップセルに活用することもあります。

こういった動画を作成する際に重要なことは自社の素材や技術に関するこだわりを明確にすることと、その素材の良さや技術の高さを明確にすることにあります。

動画制作を外注する場合、こういった施主様に魅せるポイントには気づかないかもしれないので、工務店側でポイントを整理してから依頼する必要があります。

社長が質問に答える・解説する動画

少し手間はかかりますが、社長が出演して家を建てる際のポイントや最新のニュース、会社の様子について語る動画についても一定のニーズが存在します。「社長」が動画に出演するメリットは、会社の看板として話の説得力を高めること、会社のアイコンとしてブランド力を高めることといったメリットがあります。

従業員がこういった役割を担うと退職に伴って会社のYouTube上でのブランド価値が毀損する可能性があるので、基本的には社長が行うべきです。派生パターンとしては工務店のマスコットキャラクターを活用する場合も考えられます。

ニュース・住宅知識に関する解説動画

住宅に関するニュースを解説したり、家づくりに関する知識を紹介したりする動画もニーズがあります。こういった動画は基本的に新規集客のために活用します。ニュース解説についてはタイムリーに出す必要がありすぐに再生されなくなる可能性がありますが、住宅知識に関する動画は再生され続けるような内容を考えるべきです。

基本的にはオウンドメディアを活用したマーケティングと同じようなコンテンツを動画で用意すれば大丈夫です。

格付け・ランキング系の動画

「家を建てるときに検討することベスト3」、「水回りおすすめ設備5選」といった格付け・ランキング形式の動画もニーズがあります。視聴者にニーズがあるだけではなく、フォーマットが単純なので動画も作りやすい傾向があります。

住宅知識に関する解説動画を作成する際もこういったフォーマットで作成するのがおすすめです。なお、ランキングが定期的に変動するかもしれない動画に関しては定期的に作成するのがおすすめです。

従業員・働き方紹介動画

YouTubeに採用のための動画をアップするのも有効です。工務店によっては採用のための専用チャンネルを解説している場合もあります。売上アップのためのマーケティング動画と比較すると掲載すべきコンテンツが異なるので注意してください。

採用動画に関しては従業員や働き方の紹介、会社の方針説明など、お客様の関心が低くても求職者の関心が高そうなコンテンツを用意する必要があります。

工務店のYouTubeマーケティング4つのポイント

YouTubeマーケティングにおいてはただ動画をアップすれば良いのではなく、成果を出すためにはセオリーを踏まえたYouTube活用が必要です。YouTube活用のポイントを4つに絞って紹介します。

ショート動画を上手に活用する

YouTube動画の撮影において、無駄な内容をそぎ落としつつ10分以上の動画を作成するのには多くの手間がかかります。このような理由から、YouTubeチャンネルに定期的に長尺の動画をアップする本格的なYouTube運用は工務店にとってとてもハードルが高いです。

こういった困難な運用を目指して途中で挫折する位ならば、まずは1分程度のショート動画をきちんと制作してアップすることに挑戦すべきです。

ショート動画はYouTubeに限らず、InstagramやTikTokといったSNSにもアップできるし、長尺の動画よりもさまざまなSNSでのマーケティングに活用できます。

リード獲得・育成など動画ごとに目的を明確にする

7つの制作すべき動画について紹介しましたが、動画ごとに目的な違うことにも注意してください。

たとえば、ニュース系の動画は新規集客目的で住宅購入の検討を開始していないユーザーの認知を広く浅く獲得するための動画です。また、住宅知識に関する動画については住宅を建てようと色々な家づくりに関する情報を探している人を対象に作成するものです。さらに素材や技術的なこだわりといったもう少し検討が進んで、仮契約から本契約の間にアップセル目的で活用する機会が多いかもしれません。あるいは採用のための動画は他の集客目的に動画とはまったく別の観点から会社について紹介します。

このように、YouTube動画は目的に応じて制作すべき動画が違うので、動画を公開する目的は何なのかを動画制作の企画段階から明確にしておいてください。

必要に応じて外注を活用する

動画制作は手間がかかるし、一定の専門知識も必要なので社内で完結させるのは少しハードルの高い業務です。また、コーポレートムービーのようにさまざまな人に見せる可能性があり、高いクオリティが求められる動画制作に関しては本格的な撮影・編集が必要です。

こうした動画を内製化しようとするとYouTubeマーケティングの展開が遅れてしまうので、適宜外注先を活用してください。

近年ではフリーランスの動画制作者も増えてきており、動画制作に必要な費用も下がってきているので、工夫次第で外注してもリーズナブルなYouTubeチャンネル運営が可能です。

YouTube広告・インフルエンサーマーケティングも検討する

YouTubeマーケティングに力を入れている工務店は数百本の動画をアップしているのが普通です。ただし、こういったYouTubeに力を入れている工務店と勝負をしてすぐに成果を出すのは困難です。動画の量、数、幅、質ともに先行している工務店が有利だからです。

こういった状況の中で、YouTubeマーケティングで特に新規集客の成果を上げたいのであれば、YouTube広告の配信やYouTuberを中心としたインフルエンサーの起用も検討してください。こういった広告施策を活用することにより、立ち上げ早期に結果を出せる可能性が高まります。

YouTube動画活用で工務店マーケティングの成果を高める

以上のように工務店のYouTube活用について紹介しました。工務店のYouTubeチャンネル事例でも紹介した通り、すでにYouTubeチャンネルに注力している工務店は数多く存在します。こういった数多あるチャンネルの中からユーザーに発見され、成果をあげるためにはコンテンツの精度を高める必要があります。

またYouTube自体は新規集客だけではなく、ロイヤリティアップ、アップセル、採用などさまざまな用途で活用できるので、まずはYouTubeを活用して工務店として何をしたいかを考えてください。

参考:工務店のYouTube活用事例10選
参考:注文住宅の集客を強化!工務店のYouTube広告の始め方

 

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