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工務店の広報戦略の立て方

「広報」といえば大きな企業にしか関係ないことのように聞こえるかもしれませんが、中小工務店においても広報活動は必要です。そして、行き当たりばったりな広報は消費者からの工務店のイメージをあやふやにするので、戦略的な広報が求められます。本コンテンツは工務店における広報戦略の立て方について紹介します。

本学習コンテンツでは以下を学ぶことができます。
  1. 工務店における「広報」とは何か?
  2. 広報戦略の立て方
  3. 広報戦略のKPIの設定方法

本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。


工務店における「広報」とは?

広報とは英語に直すとPR(Public Relations)のことを指し、世間とその企業の関係性を構築する役割のことを指します。よって、「集客」よりも幅広い活動をするのが広報の仕事です。

例えば、Webサイトを使って問い合わせを集めることも広報の仕事ですし、イベントを開催して工務店のブランドイメージを作るのも広報の仕事です。

よって、広報は単独で仕事をするのではなく、営業や建設部門、あるいは経営層など様々な部署と連携して会社の未来を作らなければなりません。

下記のコンテンツで解説しているブランディングも関連しています。

広報戦略を立てるメリット

上記の広報の定義からも分かるとおり、広報がカバーしうる領域は広範です。よって、広報戦略を立てて全体の方向性を調整したり、仕事の優先順位を決定しなければスムーズな広報活動はできません。

例えば、地域密着型の工務店であることをアピールしているのに、ホームページで全国対応可能と書いてあるとその工務店は本当がどんな工務店なのか、消費者は分からなくなります。他にも地域のボランティアへの参加などせっかく良いことをしていても、広報としてそれをアピールできていないのでは効果は半減します。

広報戦略を立てることによって、全体として矛盾のない、実施している取り組みを最大限アピールする広報活動が可能となります。

広報戦略の立て方

広報戦略は次の4つの手順で立て、徐々に良い方向に改善活動を繰り返します。広報戦略の4ステップについて詳しく解説します。

  1. 目指すべき会社のイメージを明確にする
  2. 具体的な施策を計画する
  3. 実行、結果を分析する
  4. 次の広報活動を改善して、実施する

目指すべき会社のイメージを明確にする

まずはどのような工務店を目指したい、消費者からどう見られたいのかを明確にしてください。技術力で勝負するのか、価格で勝負するのか、北欧テイストなのか和風のかといったように工務店のテイストやサービスの特徴は千差万別です。

ただし会社が目指すべきイメージを決定することは会社全体に関わるので経営者が決めるべきことがらです。広報だけに任せるのではなく、経営者が率先して目指すべきイメージの決定に関わるべきです。

具体的な施策を計画する

目指すべきイメージが決定したら、消費者にそのイメージを持ってもらうためにどのような施策が必要なのかをアイデア出しして実行計画を作成、予算取りをして実行の準備をします。

このときに合わせてKPIの数字目標及び測定方法を決めていないと改善活動ができないので、これらの要素も計画の中に盛り込んでください。定量的に検証できない広報活動については、分析・改善のループがきちんと回らないので優先順位は低めになります。

実行、結果を分析する

広報計画を実行、その結果を分析してください。計画においてきちんとKPIの目標、測定方法を決めていれば、実行するだけなので迷うことは少ない項目です。ただし、実際には計画通り広報活動を実施するのは困難というケースも多いので、現場に合わせた臨機応変さも求められます。

次の広報活動を改善して、実施する

分析結果をもとに、広報活動の反省を行い、改善点を見つけて、次の広報活動を実施します。特に広報の場合は、目標が定量的に表せない、曖昧にせざるをえない活動も多いので、PDCAのCとAの部分が不完全になりがちです。

適切な広報活動のPDCAを回すためにも、広報戦略を立てたうえでそれに基づいた活動、結果計測をすることが求められます。

工務店広報戦略におけるKPI

広報戦略において一概にこれを追いかければ良いというKPIは存在しません。ただし、「施企画数」「客数」「問い合わせ発生数」「工務店に対する好感度」の4つのカテゴリを意識してKPIを設定するべきです。

実施企画数

イベントを何回行う、Webサイトにコンテンツを何本あげる、お客様アンケートを何組分収集するといったように行動に対する定量的な目標が、工務店が広報戦略を立てるうえで追いかけるべき最低限のKPIです。

PDCAが回っていない工務店には、計画はするものの実際に行動に移せていないといったケースが多いのでまずは行動量を管理することが必要です。行動量さえあれば多少の活動の不備は帳消しにできます。

集客数

お客様を集めた数のことを指します。Web集客ならアクセス数やPV数、リアル集客ならイベント来場者数といった指標が管理すべきKPIになります。集客を増やすためには広告に対して予算投下が必要です。そのため集客数に関しては特にKPI管理を重点的に実施しなければなりません。

問い合わせ発生数

問い合わせの発生件数のことを指します。資料請求の数や展示場の予約の数などが問い合わせ発生数管理におけるKPIです。

問い合わせ発生数が判明すれば過去の商談実績をもとに約何件の成約が見込めるか推定できるので業績の予測性が高まります。また、1件あたりの問い合わせを獲得するのに必要なコストをCPA(コスト・パー・アクション)と呼びます。CPA管理が不十分だともっと問い合わせを獲得するべきなのに広告費を投資せずに攻められない、広告費をかけすぎて経費倒れになるといったケースが予測できません。

CPAをコントロールすることは広報全般に必要な知識なので詳しくは、「より効率的に集客を!CPAの改善方法」をご確認ください。

工務店に対する好感度

工務店の認知度やブランドイメージ、好感度なども代表的な指標です。アンケートなどを活用してある程度定性的にデータを取らざるをえないので、KPI管理が難しい項目でもあります。代表的な指標としてはNPS(ネット・プロモーター・スコア)という簡単に調査できる指標があります。

広報戦略を立てて工務店のイメージを向上させる

工務店が目指すべき姿に消費者から見られた工務店のイメージを近づけるためには、戦略に基づいた広報が必要です。ただし、ただ広報戦略を立てているだけでは不十分で、本当に必要なのは計画に基づいて広報を実施し、その結果を分析した上で地道な改善活動を繰り返すことです。

兼務体制でも良いので、広報に力を入れ、集客やブランディングに取り組むことにより工務店としての長期的な業績が安定します。

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