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工務店によるホワイトペーパーマーケティングの活用法

Webマーケティングで反響率を高めるために効果的な手段が「ホワイトペーパー」です。

ホワイトペーパーとは端的には顧客が欲しがりそうな情報を集めた冊子のようなコンテンツのことを指します。

こういった資料を請求したユーザーに営業を実施することによって、見込み顧客を増加させられます。

そして、このようなマーケティング手法を「ホワイトペーパーマーケティング」と呼びます。本コンテンツではホワイトペーパーマーケティングの概要と活用方法について解説します。

本コンテンツで学習できること
  1. ホワイトペーパーとは何か
  2. 工務店でホワイトペーパーをどのように活用できるか
  3. 工務店のホワイトペーパー活用事例

本コンテンツの学習にかかる目安時間は10分〜15分程度です。


ホワイトペーパーとは?

ホワイトペーパーとはもともと政府や公的機関が発行している「白書」のことを意味します。

しかし、マーケティングで言う「ホワイトペーパー」はこの定義と異なり、企業がホームページ上で公開している、資料請求しないとみられない顧客が欲しがりそうな情報を集めた小冊子やダウンロードコンテンツといったものを指します。

ホワイトペーパーは、サービスの紹介ではなく、顧客の課題解決のための参考情報を提供する点が特徴です。

もともとはBtoB系の企業が問い合わせを獲得するために、顧客の課題解決のためのホワイトペーパーを作成、マーケティングに活用したのがはじまりですが、現代ではBtoCのWebマーケティングでもこの手法が広まり、さまざまな企業がホワイトペーパーマーケティングを実施しています。

工務店にとっての「ホワイトペーパー」

工務店にとってもホワイトペーパーマーケティングは有効です。工務店の場合の「ホワイトペーパー」とはたとえば次のようなコンテンツのことを指します。

施工事例集・カタログ

工務店の施工事例集は一種のホワイトペーパーとして活用できます。

特にお客様は自分の理想にあった家づくりを考える際に、施工事例をもとに自分に必要な家を考えます。よって、施工事例集が欲しいといったお客様は多いです。

家づくりに関する小冊子

お客様は工務店の力を借りて、家づくりに関して勉強をしながら自分の理想の家を考えます。よって家づくりに関して勉強したいという見込み顧客は多いです。

こうした性質を考慮して、家づくりに関する小冊子をホワイトペーパーマーケティングに活用する工務店も存在します。

たとえば、家づくりに関する流れや気をつけることについてまとめた初心者向けの冊子でまさにこれから家づくりに関して勉強するユーザーをターゲットにしても良いです。また、少し勉強したユーザーをターゲットにして自工務店の家作りに関するこだわりや世界観、工務店の成り立ちなどを紹介した冊子を配布している工務店もあります。

文章だけの書籍のような冊子を作る工務店もあれば、イラスト・写真に解説を交えた冊子を作る工務店も存在します。また、マンガのような形式でわかりやすく家作りに関して説明しようとする工務店も存在します。

工務店のスタンスによって、一番差が表れやすい家づくりに関する小冊子です。

家づくりチェックシート

チェックシート系のコンテンツもホワイトペーパーマーケティングでは人気です。

セルフチェックできる形のシートで「工務店に依頼する前に確認したい17のチェックリスト」「家づくりの準備30の項目」といった形でセルフチェックできるコンテンツを用意します。

チェック項目に何を入れるかは工務店によって異なりますが、相見積もりになったときに自信が選ばれるように項目を調整する場合は多いです。

家づくりセミナー・勉強会資料

コンテンツを量産するために活用したいのが、過去工務店で開催した家作りセミナーや勉強会の資料です。

これらの資料はイベントのために作成しているはずですし、新規で作る必要がないので政策の手間が省けます。また、「ペーパー」にこだわらずに動画コンテンツの閲覧権限を集客のフックにすることも可能です。

お客様に家づくりの知識をきちんと伝えようとしている工務店の場合は、実は社内を探せばさまざまなコンテンツが溢れていることが多いので、これらを活用したホワイトペーパーの量、幅、質を充実させてください。

ホワイトペーパーの活用方法

上記が工務店におけるホワイトペーパーの例ですが、ホワイトペーパーをフックに問い合わせにつなげ、成約に至るためのポイントを活用します。

問い合わせ発生の誘導に使用する

ホワイトペーパーは基本的に問い合わせ発生の誘導のために使用します。

ホームページのさまざまなところに「資料請求」「●●小冊子プレゼント」といったバナーを貼って、家づくりに興味があるユーザーを、資料請求フォームに誘導します。

資料請求フォームで問い合わせを獲得する

資料請求フォームからの資料請求・問い合わせ獲得を目指します。

そのために必要なことは、ホワイトペーパーの中身を資料請求ページ上でチラ見せすることと、資料請求フォームを洗練して問い合わせしやすくすることです。

ホワイトペーパーの中身をチラ見せする

ホワイトペーパーの中身をチラ見せすると、ユーザーはどのような資料なのかイメージできるので興味を失って問い合わせ率が低下してしまうのではないか?と考えるかもしれませんが、実はまったく逆です。

資料をチラ見せしないと、どのような資料か検討がつかないのでかえって問い合わせ率は低下してしまいます。

チラ見せの仕方としては、目次をキャッチ―にして目次だけ見せる、中身の数ページだけを見せるといったさまざま手法があります。お客様の興味を惹けるように、コンテンツの面白い部分を少しだけ公開してください。

資料請求フォームを洗練させる

資料請求フォームが使いにくいと、せっかく資料を請求したいとお客様が思っても、必要項目を入力しているうちに面倒くさくなる、入力エラーが発生して解決できないので資料請求を止めるといった事態が発生します。

このような事態を発生させないために問い合わせフォームを使いやすくすることは大切です。

入力フォームの改善には、入力項目の見直し、入力例の記載など細やかなテクニックが存在します。詳しくは次の参考リンクを確認してください。

参考:EFO 申し込みフォームを改善する方法

ホワイトペーパーを請求した人に電話、メールでアプローチする

ホワイトペーパーを請求したユーザーに資料を渡してそのまま放置していては問い合わせは発生しません。

ホワイトペーパーを渡したあとにさまざまな方法でアプローチする必要があります。

たとえば、資料請求をしたユーザーに定期的に家づくりに関する知識を提供するメルマガを送ったり、家作りセミナー・勉強会資料を請求したユーザーには電話で次の勉強会の案内をしたりと、請求したホワイトペーパーに応じて顧客が興味を持ちそうなアプローチをして、接触頻度を高めて、徐々に家づくりの相談まで誘導してください。

ホワイトペーパーは一度作ってしまえばさまざまな用途で使用できます。

モデルハウス見学に来た来場者に特典として配るのも良いし、勉強会・セミナーの資料にするのも良いし、営業中に商談ツールとして使用するのも良し、とりあえず有れば自然とさまざまなシチュエーションで使用できます。

ホワイトペーパーマーケティング成功のポイント

ホワイトペーパーマーケティングはマーケティング手法の中でも比較的難易度の高い手法です。ホームページに集客しないといけませんし、Webサイト上でホワイトペーパーの紹介をして興味を持ってもらわなければなりません。その後家づくり相談に誘導するための営業力も必要になります。

しかし、ホワイトペーパーマーケティングが実現すれば、検討度合いが低いユーザーでも工務店のテクニックで成約に誘導できるようになるので、業績は急上昇します。ホワイトペーパーマーケティングで成功するためには次の3つの点に注意してください。

興味を惹くホワイトペーパーを作成する

ホワイトペーパーマーケティングに成功するためにはまず配布するホワイトペーパーが魅力的であることが条件です。

また、読んでみてはじめて面白いと思う内容ではなくて、チラ見せの段階で請求したいと思わせるほど、目次や各ページに興味を惹く内容を加える必要があります。

そのため、ホワイトペーパーは作って終わりではなく、家づくりに興味を持っているユーザー目線で欲しいと思うかという軸から評価して、文言や内容の微調整が必要です。

ホームページ内でホワイトペーパーへきちんと誘導する

せっかくホワイトペーパーが魅力的でもホームページ内でのホワイトペーパーへの誘導が下手な場合は十分に問い合わせを獲得できないケースも考えられます。

具体的には次の点に注意してください。

  • 資料請求への誘導バナーは分かりやすい所に設置されているか
  • 誘導バナーはクリックしたくなるほど魅力的か
  • 資料請求ページを見てペーパーを欲しいと思えるか

問い合わせ発生件数が少ない場合は上記3点を見直しましょう。

資料請求者へのアプローチ方法を決めておく

資料請求してくれたユーザーにただ資料を渡すだけでは問い合わせは発生せず、ユーザーの興味・関心に合わせて電話・メールなどでのフォローが必要です。このときに重要なのが資料請求に対応してどのようにアプローチするかを明確に決めることです。

たとえば、資料Aを請求したユーザーは何日以内にこういった連絡、資料Bを請求したユーザーは何日以内にこういったフォローといった、それぞれの資料に対応したフォローに関するガイドラインを設定してください。

ホワイトペーパーマーケティングの導入事例

すでにいくつかの工務店はホワイトペーパーを活用した問い合わせ獲得に取り組んでいます。数ある工務店の中から3つのホワイトペーパーマーケティングに関する事例を紹介します。

建成ホーム:初めての家づくりに関する無料冊子がダウンロードできる

建成ホームホワイトペーパー

北海道にある建成ホームでは初めての家づくりのための無料冊子を提供しています。

初心者相手のコンテンツを充実させることは重要で、お客様が家作り初心者のあいだからコミュニケーションをとることによって、長期にわたって情報提供が可能となり、最終的に相見積もりになった段階でも有利なポジションを取れます。

また、建成ホームでは初心者向けの冊子に限らず、イメージブック、コンセプトビック、商品ラインナップなどさまざまなコンテンツを作成してお客様が資料請求できるようにしています。

都田工務店:施工事例集をプレゼント

都田工務店ホワイトペーパー

都田建設では施工例写真集をホワイトペーパーマーケティングに活用しています。資料請求のためにホームページには簡易的に写真集の内容を紹介していて、写真で見せることで資料請求をしたくなるようにしています。

この他にも「成功者が使った家づくりの秘密のノート」、「MIYAKODAガイドブック」「薪ストーブのあるスローな暮らし・写真集」といった独自の10種類程度のホワイトペーパーを活用して問い合わせを集めています。

谷口工務店:社長の家作りに関する思いをつづった本をプレゼント

谷口工務店ホワイトペーパー

社長が出版した本をホワイトペーパーマーケティングに活用する場合もあります。

谷口工務店の場合は同社社長が執筆した「100年安心できる!『いい家』の建て方」をプレゼントしています。本を活用してホワイトペーパーマーケティングを行える点は写真で伝わらない工務店が持つ世界観や内面性を、書籍を通じて伝えられることです。

こうした世界観、内面性を社長の言葉として伝えることが、価格競争を回避して、工務店のファンを作るためには必要です。

ホワイトペーパーマーケティングで見込み顧客を増やす

以上のようにホワイトペーパーを活用したマーケティング手法について解説しました。

ホワイトペーパーマーケティングは限られたアクセスの中で問い合わせを増やすためにぜひ取り組みたいマーケティング施策の一つです。

Webサイトにホワイトペーパーの申し込みフォームを設置して、そこから資料請求をしたユーザーに営業をかけるというのは基本ですが、一度ホワイトペーパーさえ作ってしまえば色々な場面に転用できて工務店集客の幅が広がります。

特にWeb広告でアクセスを集めている工務店は、ホワイトペーパーマーケティングにより問い合わせ率を向上させれば、問い合わせ1件当たりの獲得コストを抑制する効果も期待できるのでぜひ取り組んでください。

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