注文住宅という非常に高い買い物をするお客さまは、時間をかけてGoogleやYahoo!などで検索し、情報を収集するものです。
そのお客様により多くホームページを訪れてもらうために、SEO対策は欠かせません。
本学習コンテンツでは工務店向けのベーシックなSEO対策について解説します。
- SEO対策でどんなキーワードを狙うか
- SEO対策でどんなコンテンツを作るべきか
- 検索エンジンに評価されるための技術的な施策は何か
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
SEOとは何か?
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で検索エンジン最適化という意味です。
GoogleやYahoo!で検索した際に、上位に表示できるようにホームページを改善し、検索結果からの流入を増やす活動のことです。
なぜ検索された時に上位に表示させる必要があるかというと、上位に表示されているページほど多くのユーザーにクリックしてもらえるからです。
みなさんも日頃、調べ物をすることがあると思いますが、1番目や2番目に表示されたページをクリックすることがほとんどで、2ページ目のページにまで到達することはほとんどないでしょう。
seoClarityの調査によれば表示順位1位のページのクリック率は13.94%、2位は7.52%、3位は4.68%で、順位が下がると格段にクリックされなくなることがわかります。
それだけ上位に表示することは大切なのです。
出所:https://www.seoclarity.net/mobile-desktop-ctr-study-11302/
工務店のSEO対策① 狙うべきキーワードを定める
検索したお客様に自社のホームページをクリックしていただき、来店していただく、それがSEO対策のゴールです。
そのためには、自社のお客様候補が検索するキーワードを見定めて、そのキーワードで順位を上げることを戦略的に狙うことが大切です。
家を建てたいお客様が検索するキーワードは「注文住宅」などが考えられます。
また、工務店ごとに得意としていたり、特に取り組みを強めている工法などがあれば、それらをキーワードとして選ぶことも良いでしょう。
例えば、「輸入住宅」「高気密 高断熱」などです。
しかしながら、ニーズがあるからといって検索数の多いキーワード、例えば「注文住宅」などを素直に狙うわけにはいきません。
そういったキーワードは大手ポータルサイトや大手ハウスメーカーが多額の資金をかけて対策している群雄割拠のキーワードですから、
順位を上げることは非常に難しいです。
そのため、エリアを絞って「注文住宅 〇〇市」といったキーワードで順位上昇を狙うことが現実的な戦略と言えるでしょう。
詳しくは「工務店のSEO対策における棟数規模別の戦略」で解説しておりますので参考にしてください。
工務店のSEO対策② 質の高いコンテンツ作り
狙うキーワードを定めたら、次にすべきことは質の高いコンテンツを作成することです。
ここでいう「質が高い」というのは、「キーワードを検索するユーザーにとって有益である」という意味です。
前章で決めた狙うキーワードを検索したユーザーが、「見たい」「読みたい」と考えるコンテンツを作ることが大切です。
注文住宅を受注する工務店のホームページに掲載するコンテンツとしては、施工事例がまず考えられます。
注文住宅は今存在しない商品を買っていただくビジネスですから、 工務店にどんな家を建ててもらえるのかイメージしやすいコンテンツとして。過去に建築した家の実例を載せることはとても有効です。
また、前章でも述べた通り、自社が得意としている分野については積極的に順位を上げていきたいところです。そのため、得意な分野については詳細な情報を掲載することをお勧めします。
例えば、「輸入住宅」を得意とする工務店でしたら、どういった外装や内装を作れるのか様々なバリエーションを詳しく載せることが大切ですし、建材情報を載せることも有効でしょう。
あるいは、高気密・高断熱を得意とする工務店であれば、工法について詳しい解説を載せることで、機能が良い家を求める方には刺さるでしょう。
工務店のSEO対策で制作すべきコンテンツ例
サービス内容
もっとも基本的なコンテンツとして、自社が提供しているサービスを紹介するコンテンツは必要です。
実際に何のサービスを提供しているのか、得意とするサービス等を掲載します。
また、実際に家を建てて完成するまでの流れを載せることも、お客様が具体的に家を建てることをイメージできるようになります。
施工事例
先述の通り、注文住宅は完成するまで実際の商品がわかりませんので、お客様がイメージしやすいように施工事例は必ず載せましょう。
ただ写真を載せるだけではなく、施主様や担当者のこだわり、それが実現されるまでの過程を載せると効果的です。
広さや間取りがわかる情報を散りばめたり、暮らしをイメージしやすいように写真の撮影方法も工夫すると良いです。
また、SEO対策として対策するキーワードを散りばめましょう。
たとえば、サービス名(「注文住宅」など)、地名(「〇〇市」など)、テイスト(「ログハウス」など)を入れることが大切です。
お客様の声
実際に家を建てられた施主様の感想を載せることも有効です。
施工事例の中に合わせて掲載しても良いです。
施主様の家づくりへのこだわりがわかり、実際にどんな家が建てられるかイメージ湧きますし、担当者との関係の良さもアピールすることができます。
工務店で働くメンバーのプロフィール
代表者や建築士などの顔写真やプロフィールを載せましょう。
実際にどんなひとが働いているのはわかることで、安心感につながります。
よくある質問
Q&A(FAQ)コンテンツを作成することで、お客様の不安を解消することができます。
「アフターフォローサービスは何がありますか」「提携ローン会社はありますか」などよくある質問を集めて掲載しましょう。
工務店のSEO対策③ 質の高いコンテンツをより評価してもらうための技術的な施策
質の高いコンテンツをより検索順位につなげるために、Googleなどの検索エンジンが評価するポイントを押さえることは大切です。
検索エンジンが評価するポイントを押さえるということは、ホームページを訪れるユーザーにとって有益なページを作るという観点から大きく外れるものではありません。
工務店のホームページを作成する際は以下のポイントに気をつけましょう。
クリックしたくなる「タイトル」の設置
タイトルというのは、そのページの「タイトル」のことで、 通常検索した際に表示される太字の部分です。
いかに順位が上がっても検索した人にクリックしたいと思っていただけないと誰もホームページに来ません。
そのため、対策しているキーワード(たとえば「注文住宅〇〇市」)は前半に入れてクリックしたい、と思わせることが大切です。
あれこれたくさんのキーワードを盛り込みたくなるのですが、タイトルは30文字以内に納めることが大切です。 それ以上長ければ、表示されずに途中で切れたり、検索エンジンに全然違うタイトルにで表示されてしまう確率が高くなります。
また、タイトルは別のページには別のタイトルをつけましょう。 異なるページでページタイトルが重複していると、検索エンジンがページの内容を把握できず、順位が下がってしまいます。そのページの内容を端的に表したタイトルを考えましょう。
参考:工務店が知っておきたいメタタグの意味と使い方【SEO中級編】
わかりやすいリンク構造
検索エンジンはページのリンクを辿ってホームページ内を回遊しページを評価していきます。
そのため、評価してほしいページにはリンクを貼っておくことが大切です。
このことは、検索エンジン向けというよりもホームページに訪れるお客様のことを考えても大切なことです。 どこに行けば何の情報があるのかわかりづらいホームページは面倒なものです。
ヘッダーのメニューなどを利用して、リンクをたどりやすい構造にしましょう。
スマホでも見やすい
近年インターネットで検索する人の大半はスマホを使っています。
スマホで見やすいページであることは、お客様に対しても親切です。
それだけでなく、検索エンジンももスマホで見やすいページを上位表示する傾向にあります。
スマホで見て、文字が小さすぎて見れないということや、画像が大きすぎて表示されないといったことがないようにホームページを作りましょう。
読み込み速度が速い
重たくて全然表示されないホームページにイライラして離脱した経験は誰しもあるものです。
重いページを検索エンジンも評価しません。
読み込み速度が速い、少なくともイライラするほど遅くないということは大切です。
読み込み速度を最適化するために、有効で簡単にできることは画像サイズの最適化です。
建築実例などであれば多量の画像を1ページに掲載することでしょう。
そういったページは重たくなりがちです。
画像サイズを大きくしすぎずに、ストレスなく表示されるサイズにすることや、 表示の方法を工夫しましょう。
工務店のSEO対策④ Google マイビジネスに登録する
検索結果の上部に、Googleマイビジネスに登録された情報が掲載されることがあります。
また、社名で検索された場合も上部に表示される場合があります。
そのため、必ずGoogleマイビジネスに登録し、正しい情報が掲載されるようにしましょう。
Googleマイビシネスには、営業日や所在地、電話番号などを必ず登録し、可能であれば、お客様にGoogleマップ上でクチコミを投稿してもらいましょう。
参考:工務店のMEO対策
SEO対策の今後の変化
生成AIの登場などにより、検索面は大きく変化している途上です。
まだ試験運用中ですが、Googleの検索面にはSGE(Search Generative Experience)という生成AIによるコンテンツが表示されるようになりました。
また、2023年9月ごろより、リスティング広告の表示数が増えたとの報告があり、自然検索の結果はクリックされづらくなることが予測されます。
そのため、SEO対策は引き続き行いつつ、リスティングやSNS広告など他の集客手段も並行して行い、検索結果の仕様変更に対応できるように備えておくべきです。
SEO対策で集客を強化しよう
SEO対策をすることは、検索経由でホームページに訪れるお客様を増やすことのみならず、
ホームページをより使いやすいものにすることで、他の集客手段で訪れたお客様を問い合わせにつなげることにもつながります。
ホームページに有益なコンテンツを載せる、使いやすいように改善する活動は常に続けていきましょう。
参考:工務店がホームページを使って集客する方法
参考:集客に効果的な工務店ホームページ事例集11選
参考:工務店のホームページのデザイン事例7選