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施工管理ツール12選

建設業界のITツール導入において普遍的に成果を出しやすいのが施工管理ツールです。

現場においては工程表、図面、作業日報など様々な情報が共有されますが、これらの情報が整理されていなければ、管理不足による工程の遅れ、情報共有不足による作業ミスなどにもつながりかねません。

施工管理ツールを使用してこれらの情報を一元管理することにより、ミス・無駄のない工事が可能となります。おすすめのツール12種類とそれぞれの特徴について紹介します。

本学習コンテンツでは以下を学ぶことができます。
  1. 施工管理ツールとは何か
  2. 施工管理ツールを選ぶ際のポイント
  3. 12種類の施工管理ツールの特徴

本コンテンツの学習にかかる目安時間は10分〜20分程度です。


施工管理ツールとは?

施工管理ツールとは建設・土木業の現場において発生するさまざまな情報を一元管理できるツールのことを指します。建設現場にITツールを導入することは「i-Construction(アイ・コンストラクション)」と呼ばれていて国土交通省も取り組みを推進しています。

建設現場では多くの関係者の中で様々な情報が流通し、これらの情報伝達のミスが事故や建設コストアップにつながりかねないため、ITツールを活用して業務効率化・生産性の向上が期待されています。

施工管理ツールを選ぶ際のポイント

施工管理ツールを比較・検討する際にチェックしたいのが次の3つのポイントです。

  • 管理できる情報
  • サポート体制
  • 導入・運用費用

管理できる情報

「施工管理」と一口に言っても管理している情報は千差万別です。純粋に現場の日程や写真、図面などの情報だけを管理するツールもあれば、見積書作成や支払管理など周辺の工程管理まで対応したツールもあります。

もちろん、多くの情報を管理できる方が便利ですが、高機能な商品ほど値段が高く、使いこなすためには練習が必要なツールが多いので、自社の管理したい情報とツールの機能のバランスを比較・検討してください。

サポート体制

サポート体制についても確認してください。実際に施工管理ツールを導入すると慣れるまで、操作方法が分からない、間違った情報を共有、そもそも情報が共有できないなど様々なトラブルが想定されます。

これらのトラブルが発生した際に社内で対応できるならば良いですが、多くのケースでは現場だけで問題を解決するのは困難です。よって、サポートがしっかりしているツールを選ぶべきです。また、サポートがあってもメールだけと電話での対応が可能なツールでは利便性は大きくことなります。サポートの手段についても確認してください。

導入・運用費用

導入・運用費用ももちろん比較ポイントになります。ただし、費用に拘りすぎないことも重要です。いくら安くても機能が不十分、操作性の悪いツールを導入すると現場に定着せずに帰って業務を阻害する要因になりかねません。

導入・運用費用で比較する場合は前提として、そのシステムの機能、操作性を検証した上で行ってください。そのため、無料トライアルやデモが可能なツールの場合は、ある程度機能を比較した上で、まずトライアルやデモで使ってみることが重要です。

その他のポイント

上記3ポイントが主要な比較点ですが、他にも比較すべきポイントはあります。

例えば、施工現場でパソコンは持ち歩けないので、スマホ・タブレット対応しているか否かもチェックしておくべきポイントとなりえます。もっとも、多くのツールはスマホ・タブレットに対応しているのですが。他にも、情報セキュリティの体制やカスタマイズ性も比較ポイントになりえます。

施工管理ツール12選

以上のことを踏まえて、おすすめの施工管理ツールを12種類紹介し、管理できる情報、導入・運用価格、デモの有無、サポート体制の4つの切り口から比較します。本コンテンツの情報は2021年6月末時点の情報ですので、必要に応じて公式HP等から最新の情報を入手してください。

CAREECON for WORK 施工管理

CAREECON for WORK 施工管理

CAREECON for WORK 施工管理はBRANU株式会社というIT企業が提供しているサービスです。同社は「CAREECON」という建設業界に特化した工事案件と協力会社をマッチングするプラットフォームで、「CAREECON for WORK 施工管理」は同社が提供している施工管理システムです。

案件管理、写真管理、画像(図面)編集、報告書作成、工程表管理、通知機能、看板機能の7つがあり1つのシステムで建設業界にまつわる管理業務の多くをカバーできます。

料金は個人向けの800円/月のパーソナルプラン、企業向けの初期費用20万円、30,000円/月のビジネスプランの2種類があり、報告書、工程表、チャット、サービス連携などの機能はビジネスプランにしかありません。

クラウド型のサービスなのでパソコンやスマホなどの端末さえあればすぐに導入が可能で、サーバーなどを用意する必要はありません。特別なサポートは用意されていませんが、システムのサポート窓口は設けられています。

なお無料キャンペーンやデモなどは用意されていません。

建設BALENA

建設BALENA

建設BALENAは株式会社Office ConciergeというIT企業が提供している建設業向けの業務管理システムです。

工事台帳機能、見積書・請求書作成機能、入出金管理機能、収支計算分析機能、外部連携を含めたカスタマイズ機能の5つの機能があり施工状況を管理するだけではなく入出金、収支計算のように経営管理に近い領域もカバーしています。

クラウド型のサービスなのでサーバーなどを自前で用意する必要はありませんし、状況に合わせてシステムは適宜進化していきます。

料金は公開されていないので都度問い合わせる必要がありますが、無料で試せるサンプル版も提供しているので一度システムを触りたいというケースにも対応可能です。

システムを万全に使いこなすために宮崎県日南市にオフィスがあり専任スタッフが常駐、チャットや電話でシステムの使い方について遠隔でサポートしてくれます。

ダンドリワークス

ダンドリワークス

ダンドリワークスは株式会社ダンドリワークスが提供する10万アカウント以上の建設業界関係者が使用している施工管理システムです。

現場情報、写真資料、掲示板、チャット、工程表、受発注、検査、報告書、施主共有、出退勤、顧客管理などの機能があり、すべての現場情報を一元管理できます。情報セキュリティに関する国際認証規格のISO27001及びPマークを取得しておりセキュリティ管理にも力を入れています。

料金は基本機能×オプション機能の組み合わせによって変わり、初期費用は10万円から月額費用は19,800円/月からとなっています。

導入後きちんと現場に浸透することを重視しており通常の問い合わせ対応に加えて利用者全員にも使用方法の説明会なども開催してくれますし、専属のチームによってシステムが社内に浸透するように利用状況を分析、改善活動をサポートしてくれます。

なお、無料プランやデモなどは用意されていません。

目視録

目視録

目視録は導入現場累計450万件以上を誇る20年以上続く人気の施工管理ツールで、株式会社エー・エス・ディというIT企業がサービスを提供しています。

標準機能として、アプリからの写真登録・閲覧、進捗一覧管理、施工写真一覧表示・報告書作成、文書整理、お客様への進捗公開、データ出力といった機能が用意されており、オプションで指摘是正機能、表紙付報告書の追加、通信暗号化なども可能です。

さらにお客様の要望に合わせてその他のカスタマイズにも対応しています。

料金は導入の規模感やカスタマイズによっても異なるので都度見積もりが必要になります。7日間のトライアル期間が設定されているので試しにシステムを触った後での本格導入も可能です。

初期導入サポートや運用サポート、カスタマイズへのサポートといったように各種サポートサービスが充実しています。

IMPACT CONSTRUCTION

IMPACT CONSTRUCTION

IMPACT CONSTRUCTIONは建設会社の加和太建設株式会社が提供している施工管理ツールで、建設業者が自ら設計、開発を行い自社で実績があるシステムを使用していることに特徴があります。

クラウド型のシステムなので端末とネット環境さえあればどこでも使用できて、工事管理、見積もり、実行予算管理、購買発注、工程管理、出来高管理、支払管理、実行予算管理といった機能が用意されています。

初期費用は0円で月額費用は基本料金70,000円に加えて、1アカウントにつき2,000円(10アカウントまで無料)となっています。

導入前には出張サポートが用意されており、導入後も電話やメールなどで適宜操作方法について相談できます。

使用にあたっての無料プランやデモは用意されていません。

段取太郎

段取太郎

段取太郎は左官工事会社の株式会社メガステップが提供している施工管理ツールで、同社はこれ以外にも建設業のための研修施設「職人道場」などを運営しています。

現場のスケジュール管理、人別&現場別の集計機能、人や車の配置といった3つの機能が用意されており、直感的に操作できるのが特徴です。

初期費用は22万円、運用費用は月額23,980円でアカウントは無制限に追加できます。なお、ライセンス買切り1,306,800円+保守費用2,000円/月のプランも用意されています。

デモや無料プランなどはWebサイトには明記されていません。

Kizuku

Kizuku

KizukuはIT企業のコムテックス株式会社が提供している施工管理アプリです。

スケジュールグループウェア、トーク、コネクション、図書共有・写真管理、現場管理・工程管理、施工報告書・検査報告書、マスタ管理といった機能が用意されています。

クラウド型のシステムなので端末とネット環境さえあればどこでも使用できて、AI画像判定機能があるのでシステムが写真を自動で工程ごとに振り分けて保存してくれます。

料金はアカウント数に応じて、プロプラン30、プロプラン50、プロプラン100の3パターンに分かれていて、初期費用は一律11万円、月額費用はそれぞれ22,000円、33,000円、55,000円となっています。工程管理、施工/検査報告書、作業者管理機能、注意喚起配信などはオプションとして別途追加料金が必要です。100アカウント以上が必要な場合は別途見積もりとなります。

導入支援サービスとして操作説明講師派遣を実施する場合は別途11万円+交通費が必要です。

デモや無料プランなどはWebサイトには明記されていません。

かん助

かん助

かん助はソフトウェア開発、教育、広告制作事業などを行っている株式会社穴吹カレッジサービスが提供している施工管理ツールです。

物件管理、検査、工程管理、予定管理、チェックシート、工程写真、統計、お知らせ、マニュアル掲載、カスタマイズ、一元管理といった機能があります。

業務用県の整理やシステムマスタのセットアップ、専用の帳票などを含めて導入費用は200万円、管理する案件によって1件あたり1,650円から5,500円の月額費用が発生します。さらに別途費用を支払えば専用アプリの構築、既存システムや会社独自の基幹システムとの連携といったカスタマイズも可能です。

デモや無料プランなどはWebサイトには明記されていません。

eYACHO

eYACHO

eYACHOはソフトウェア開発・販売に取り組む株式会社 MetaMoJiが提供している施工管理ツールです。メモや音声の記録機能、現場での出面表の作成機能、ToDOの一元管理、カレンダー機能、ミーティングサポートなど様々な機能が搭載されています。

クラウド版の初期導入費用は30万円で、ランニングコストとして1ライセンスあたり28,000円が必要です。すべての機能が使用できる30日間の無料体験版も用意されているので実際のシステムを触った後で導入の可否を決定できます。

有料の操作講習会やテンプレート作成サービスのあり、300社以上の企業が導入しています。

フィールドプラス

フィールドプラス

フィールドプラスは法人向けの業務アプリを開発する株式会社エス・ケイが提供している施工管理ツールです。

報告送信、お知らせ確認、報告内容確認、報告シート作成、お知らせ配信など管理者、現場担当者間の連絡を密にするための機能が充実しています。
システム初期設定費用は無料で、ライセンス利用料は1ユーザーあたり500円、サーバー利用料が5,000円/月から必要となります。

管理者へのサポート対応を実施しており、無料でのデモ利用も受け付けています。

KANNA

KANNA

KANNAは0円で使用できるカンタン捜査の施工管理アプリということで、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC 27001を取得している株式会社アルダグラムが提供しているサービスです。

現場からの情報収集機能、図面などのクラウド共有機能などが用意されており、500社以上の企業に導入実績があります。

初期費用は0円、月額費用は0円でアカウント数も無制限に使用できます。ただし、無料で保存できる容量は1GBに限られており、保存容量を追加したい場合は1TBにつき月額19,800円の課金が必要になります。

基本的に無料で使用できるサービスなのでとりあえずシステムを実際に試してから導入したいという企業向きのシステムです。

ANDPAD

ANDPAD

ANDPADは建設業界に特化してITサービスを提供する株式会社アンドパットが提供している施工管理システムです。同社は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC 27001:2013の認証を取得しています。

施工管理ツールの中でも人気のツールの1つで、利用社60,000社、ユーザー数17万人を誇っています。

受発注・社内タスク管理、写真・資料管理、日報、工程表、横断工程表、チャット、営業管理、カレンダー、検査、見積作成、OB点検などの機能があります。

初期費用はプランに関わらず一律初期費用10万円、導入サポート研修は1回につき10万円です。プランは3パターンで60IDまで使えて月額3.6万円のライトプラン、100IDまで使えて、月額6万円のベーシックプラン、200IDまで使用できて月額12万円のビジネスプランがあります。さらに500ID以上に対応したエンタープライズプランも用意されています。(要見積もり)

職人向けの操作説明会の開催、専用チャット・メール・電話などでのオンラインサポート、初期登録作業、少人数へのWebセミナーといったサポート体制も充実しています。

デモや無料プランなどはWebサイトには明記されていません。

施工管理と建設DX

システムによって施工管理を効率化する他にも、お客様情報の管理やマーケティングなど様々な業務ジャンルにおいて建設業界でもシステム化が浸透しつつあります。

このようにITの力を使って従来の業務オペレーションやお客様対応の在り方を変えてしまうことを「建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)」と呼び、大手ビルダーを中心として様々な建設会社・工務店が取り組みを始めています。

施工管理ツールで収益性を高める

施工管理は工程を正確に管理、ミスを減らすだけではなくひいては収益アップ効果まで期待できます。施工管理ツールの中には支払いや購買発注管理ができるツールもあり、工事プロジェクト自体を正確に管理することにより無駄な費用も削減することにもつながります。

施工管理ツールを導入することは業務効率の改善だけではなく、収益アップの視点からも求められます。

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