工務店・ハウスメーカーの中にはWebマーケティング・オンライン商談に対応するためにデジタルカタログを導入している企業が存在します。
本コンテンツでは、デジタルカタログを活用するメリット、デジタルカタログの活用事例を紹介します。
デジタルカタログの導入を検討している工務店の皆様はぜひ参考にしてください。
- デジタルカタログのメリット
- 工務店・ハウスメーカーのデジタルカタログ活用事例
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
デジタルカタログとは何か?
デジタルカタログはWeb上で閲覧できるカタログ全般のことを指します。
「デジタルカタログ」という呼び方の他にも「Webカタログ」「電子パンフレット」「eBook」といった名称で呼ばれることもあります。
デジタルカタログとPDFとの違い
デジタルカタログとPDFは大きく異なります。
どちらも顧客獲得や営業の際に使用するといった点では同様ですが、デジタルカタログの方が、カタログ上にさまざまなリンクを貼れたり、動画を流せたりといったように表現の幅は広く、ユーザーの閲覧履歴や行動といった販促・営業に必要な情報を解析可能な点で優れています。
工務店がデジタルカタログを活用するメリット
工務店がデジタルカタログを活用するメリットは次の3つに大別できます。メリットを踏まえた上で導入の是非を検討してください。
カタログの印刷・郵送費用を削減できる
デジタルカタログを活用することにより、カタログの印刷・郵送費用を削減する効果が期待できます。
多くの工務店・ハウスメーカーでは紙・デジタルカタログの両方を用意しています。ただし、とりあえずカタログの中身だけ覗いてみたい、本格的な購入はまだ検討していないといったユーザーも多く、こういったユーザーがデジタルカタログを活用するのでコスト削減が可能です。
インターネットからの集客に活用しやすい
インターネットからの集客に活用しやすいのもデジタルカタログの特徴です。
ホームページからカタログを請求するとどれだけ早くても資料が届くまで2~3日程度が必要なのでユーザーの熱も冷めます。
ユーザーの興味・関心が強いうちに情報提供するためにデジタルカタログを使用した方が良いです。
またデジタルカタログシステムの中には分析機能を持ったシステムも存在するので、こういったシステムを活用すれば紙のカタログより高い精度でユーザーの反応を捕捉できます。
動画・3Dモデルを含めた濃厚な情報提供が可能
動画・3Dモデルなどを通じて紙のカタログでは実現できない濃密な情報提供が可能なのもデジタルカタログの特徴です。
とくに注文住宅はカタログスペックや機能だけではなく、住宅全体のデザインや住み心地なども重要な要素です。
こういった情報は文字や画像だけで伝えるのは困難で、動画や3Dモデルの方が如実に情報を読者に伝えられます。
デジタルカタログの活用事例
具体的なデジタルカタログの事例について紹介します。
他工務店のデジタルカタログをチェックする際は、パソコンやタブレット、スマホでの使いやすさ、含まれているコンテンツなどを基準に事例を確認すると良い点、悪い点が容易にチェックできます。
セキスイハイム
セキスイハイムでは動く、触れるというコンセプトのデジタルカタログを公開しています。
ただカタログをデジタル化するだけではなく映像やスライドショー、BGMなどを組み合わせて、紙のカタログでは不可能な密度の高い情報提供を実現しています。
また、オーナー向けのデジタルカタログも充実しており、「定期診断サービス」、「保存版|わが家の住まいメンテナンス読本」「エクステリア リフォーム」といった30種類以上のデジタルカタログも提供しています。
一条工務店
「i-tab」というオリジナル電子カタログを公開しています。
通常のデジタルカタログマーケティングではカタログをWeb上に誰でも閲覧できるようにしたり、会員登録して閲覧できるようにしたりといった手法をとりますが、一条工務店ではカタログを表示するタブレットごとレンタルします。
i-tabには一条工務店の住宅のカタログはもちろん、映像を含めてさまざまな視点から一条工務店の魅力を伝えるコンテンツが詰め込まれています。
基本的にはタブレット貸出で閲覧するカタログですが、スマートフォン版の「i-tab lite」という自身のスマートフォンで閲覧できる簡易版も用意しています。
住友林業
住友林業では会員登録をしたユーザーに対して、デジタルカタログや家づくり動画が閲覧できるようにしています。
会員登録は誰でも可能で、登録すれば総合カタログ、場所別のケース・スタディなどが閲覧できます。
公開されているカタログの傾向として施工事例を伝えるカタログが多い傾向があります。
桧家住宅
「商品カタログ・実例集」「プラン集」「暮らしスタイル」「テクノロジー」「マンガ」「会社案内」の6カテゴリー20種類弱のカタログが公開されています。
閲覧登録には会員登録・ログインの2つが必要です。
ちなみに会員登録にはデジタルカタログを閲覧する以外には、企画型住宅「スマートワン」のプラン検索ができるようになったり、分譲物件の詳細が閲覧可能になったり、メールマガジンで家作りに関する情報が届いたりといった特典があります。
ヤマト住建
ヤマト住建では10種類程度のデジタルカタログを公開しています。
どのカタログも会員登録をせずとも、ホームページ上から閲覧できます。「eBook5」と呼ばれるデジタルカタログシステムを活用してカタログを作成しており、拡大、ブックマークといった機能が搭載されています。
気に入ったカタログはホームページ上で閲覧するだけではなく、資料請求も可能です。
大塚工務店
比較的、規模の大きい工務店・ハウスメーカーがデジタルカタログを公開している事例が多い中で地域密着型の工務店にもデジタルカタログを公開している事例が存在します。
滋賀県長浜市の大塚工務店でも総合カタログをデジタルカタログにして公開しています。
一般的にデジタルカタログを掲載しているWebページは、カタログ一覧が並んでいるだけの簡素な作りであることが多い中、大塚工務店のデジタルカタログ請求ページではカタログに中身についてきちんと訴求しています。
大塚工務店の家作りの4つのコンセプトや他社との違い、家作りに関するお役立ち情報などがカタログに記載されていることを訴求しています。
また、資料請求フォームもすべてカタログ紹介のページに埋め込まれているので、請求までの手間がかかりにくいのも特徴です。
スマートホーム
施工事例、モデルハウスパンフレット、会社案内、ブランドラインナップの4種類をデジタルカタログとして公開しており、必要情報を入力すれば各種資料がダウンロードできます。
資料そのものも事例として参考になりますが、特徴的なのは問い合わせフォームの入力項目の多さです。
任意項目ではありますが、連絡可能な時間帯、工務店を知ったきっかけ、その他問い合わせ内容などカタログ請求にはあまり用いられない項目も問い合わせフォームの中に含まれています。
一般的に問い合わせフォームは簡素化、便利にした方が反響率が高くなると言われているなかで、あえて本気で住宅購入を検討したいユーザーが入力しそうな項目を入れることによって、本気度の高いユーザーを絞り込む効果が期待できます。
LIXIL
建築材料・住宅設備メーカーのLIXILも建築関係者向け、建主向けの2つのターゲットに対してデジタルカタログを公開しています。
メーカーゆえに公開しているカタログ数が多いのが特徴ですが、カタログの機能が充実している点も参考にすべきです。
PDFでダウンロードできたり、各ページへのショートカットが用意されていたり、カタログの一部を切り抜いたり、ペンでメモを入れたりと、紙のカタログに近い使い方ができるように機能が充実しています。
多機能ゆえに使いこなそうとすると大変かもしれませんが、デジタルカタログとしては参考にすべきフォーマットです。
カタラボ
工務店ではなく建材・住宅設備のデジタルカタログサイトです。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会が運営しています。
LIXILと同様のデジタルカタログのフォーマットで数多くの住宅設備メーカーのデジタルカタログが2,000冊以上公開されています。
会員登録や問い合わせなしでカタログを閲覧できるので、建材や住宅設備について調べたい、カタログ制作の際のベンチマークを探したいといった際に活用できるホームページです。
他社のデジタルカタログ活用事例を参考に良いマーケティングを
本コンテンツではデジタルカタログ導入のメリット、工務店・ハウスメーカーのデジタルカタログ活用事例について紹介しました。
次のアプローチに繋げられるように会員登録を行ったユーザーに限定してデジタルカタログをダウンロード・閲覧できるようにするのが一般的です。
カタログの内容は紙のカタログとほぼ同様・使っているデジタルカタログシステムは工務店によって多様です。
これらの事例をもとにカタログの中身だけではなく、それをどう活用して反響を獲得していくのかもぜひ検討してください。