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ハイブランドの家具・インテリアを使った工務店の集客手法

住宅ブランドの価値を高めたくても、急に価値の高いブランドは構築できません。自社の住宅ブランドの価値を手早く高めたいのであれば、ハイブランドの家具・インテリアを活用した工務店集客が必要です。本コンテンツではハイブランドの家具・インテリアを使った工務店の集客方法について説明します。

本コンテンツで学習できること
  1. ハイブランド家具・インテリアを活用した集客方法
  2. 家具・インテリアショップとコラボレーションする際のポイント

本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。


ハイブランド家具・インテリアを工務店が扱うメリット

工務店がハイブランド家具・インテリアを扱う主要なメリットは次の3つです。ハイブランド家具・インテリアを活用した集客・営業は一般的なマーケティング手法よりも困難ですが、このような大きなメリットを享受できます。

自住宅ブランドの価値を高められる

ハイブランドの家具・インテリアを自住宅ブランドのショールームを飾ることにより、自住宅ブランドの価値を高められます。人間はハイブランドを身に着ける人を信用するという心理があるので、自住宅ブランドをハイブランドで飾ることによって自住宅ブランドに関して展示場の見学者が感じる価値についても高められます。

通常、住宅ブランドの価値を高めるためにはさまざまなプロモーション費用や長い年月、地道な活動が必要になりますが、ハイブランド家具・インテリアを活用することによりブランド醸成のスピードを高められます。ただし、極端にブランドのグレードとテイストが違う場合はシナジー効果は発生しません。

高価格帯の住宅の注文を獲得できる

ハイブランド家具・インテリアが自ブランドの価値を高めてくれるので、通常の住宅ブランドと比較して高価格帯の注文住宅を販売できます。もちろん、ハイブランド家具・インテリアを使っていれば無条件で高価格の住宅ブランドになれるわけではありませんが、高価格帯で住宅を販売できる可能性は高まります。

収益性の高い仕事ができる

高価格帯の注文住宅を獲得できるということは収益性の高い仕事につながります。収益性が高いということは職人さんの生産性を高めることや、少ない棟数で大きな売上を上げることに繋がります。今後住宅・建設業界で人手不足が発生することや新規着工棟数が減少することを加味すれば、少ない棟数で確実に収益をあげること、職人さんの待遇を良くして体制を構築することは工務店経営を安定させるための重要な要素です。

ハイブランド家具・インテリアを活用した集客方法

ハイブランド家具・インテリアを活用すれば、住宅ブランドの価値を高め、収益性の高い仕事ができます。その重要性は上記のとおりですが、具体的にどのように集客に活用できるのか3つのパターンを紹介します。

住宅展示場にハイブランド家具・インテリアを設置して住宅の価値を高める

一番オーソドックスな手法として挙げられるのが、住宅展示場に置く家具をハイブランド家具・インテリアにすることです。そうすることによって自然と住宅展示場の雰囲気も格調高くなります。

ただし、住宅ブランドと家具・インテリアブランドのブランドコンセプトが一致しなければこういった効果は発生しないので、設置すべきブランドについては厳選すべきです。

たとえば、近未来を想起させるような置き家具を昔ながらの木造住宅に設置するとお互いがハイブランドであったとしても、違和がありブランドのコンセプトにユーザーが共感できなくなり、かえって成約率やお互いのブランドの価値を下げてしまう可能性があります。

展示場に設置する家具・インテリアのブランドを何にするのか、それをどのように配置するのかについては特に配慮すべきです。

コラボ・限定商品を販売する

ハイブランドと限定とパートナーシップを組める場合は、コラボ商品・限定商品を使ったマーケティングも有効です。工務店とハイブランドがコラボした特別な仕様の家具・インテリアを特別に販売することによって、そのハイブランドや住宅ブランドが好きなユーザーの成約率アップを狙います。

たとえば、無印良品とUR都市機構が共同で実施している「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」ではMUJI×UR Parts Roomという団地の暮らしに着目した「オリジナルパーツ」を開発して団地の価値を高めています。

このような住宅ブランドと家具・インテリアブランドのコラボレーションによりお互いの商品・サービスの価値を高めて、価格競争回避、ロイヤリティ向上効果が期待できます。

成約者限定のノベルティ・キャンペーンを用意する

他のコラボレーション方法としては住宅購入者に対してハイブランドの家具・インテリアが割安で購入できる特別キャンペーンを開催したり、成約者にノベルティをつけたりといったマーケティング手法が考えられます。住宅は単価が高いので単純な割引キャンペーンではインセンティブにならないケースも多いですが、家具・インテリアと住宅のブランドのシナジーがあるとお互いの商品をセットで購入してもらえます。

この他にもアフターマーケット開拓においてもハイブランド家具・インテリアは有効で、一度購買すると基本的に二度と再購入がない注文住宅だけでは客単価が低いのでリフォームや家具・インテリアを付加することによりLTVの向上が見込めます。

ハイブランド家具・インテリアを扱う際の失敗パターン

さまざまなメリットのあるハイブランド家具・インテリアを使用したマーケティングですが、単純にハイブランド家具・インテリアを取り扱うという認識でやろうとすると失敗することが多いです。ハイブランド家具・インテリアを活用したマーケティングの典型的な失敗パターンについて2つ紹介します。

ブランドの格の不一致

住宅とセットで取り扱う家具・インテリアブランドは格が高ければ高いほど良いというわけではありません。自社が扱っているブランドは低価格帯なのに、揃えている家具・インテリアだとすると、それぞれターゲットとしている消費者が異なるのでどっちのブランドにとっても中途半端な結果に終わりがちです。

こういった失敗を解消するためにはブランドの格や価格帯を揃える必要があります。具体的なポイントについては後述しますが、ハイブランド家具・インテリアを活用して集客に役立てるためには住宅ブランド側が同じような格のブランドを持つ必要があります。

また、同じような格のブランドであったとしてもコンセプトやユーザー層が合致していないとシナジーは発生しにくい傾向にあります。

成功したいのであれば提携するブランドについては、自社の住宅ブランドコンセプトを明確にしたうえで、丁寧に精査してください。

ブランド側が相手にしてくれない

ハイブランドの家具やインテリアを取り扱おうとした場合、ブランド側が工務店をまったく相手にしてくれないといったケースも想定できます。一般的にハイブランドは自社のブランドイメージを大切にするので、信用できる取引先に絞って商品を卸す傾向にあります。そのため、住宅ブランドや工務店が自ブランドにミスマッチだと取引してくれない可能性があります。

また、取引ができても条件が悪くて、かえって工務店の資金繰りを悪化させてしまうといったケースも考えられます。

このように工務店側が取引したいと考えてもハイブランド側が取引してくれるとは限らないので、前提として自社の住宅ブランドの価値を高めたうえで、適正な条件で取引してくれるブランドを探す必要があります。

ハイブランドに負けないような住宅ブランドにするために

ハイブランドを活用して自工務店の集客を成功させるためには、そのブランドに釣り合うような住宅ブランドを工務店側が持つ必要があります。そしてそのブランドを構築するためには次の3つの点に注意する必要があります。

ブランド家具・インテリアにグレードとテイストを揃える

ブランド家具・インテリアと住宅ブランドのグレードとテイストが揃っていないと高いシナジー効果は発生しません。

よって、工務店の建てる住宅自体がそもそもハイブランドではない場合は無理にハイブランドの家具・インテリアを取り扱わずにローブランドをコストパフォーマンスよく施主者様に提供するといった手法も有効です、取り扱うブランドに合わせて住宅ブランドのグレードを上下するのは困難なので自社の住宅ブランドに釣り合うブランドはどの程度のブランドなのかについて検討してください。

また、同じようなグレードのブランドであったとしてもテイストが一致していないと逆効果です。たとえば、カリフォルニアスタイルの住宅ブランドが北欧テイストの家具・インテリアを揃えていたとしてもちぐはぐな住空間になってしまいます。それならば多少グレードに差があったとしても同じようなカリフォルニアスタイルの家具・インテリアを揃えた方がシナジー効果は期待できます。

このようにシナジー効果を発揮するためには両ブランドのグレードとテイストを合わせることが重要なので、提携するブランド選びは慎重に行ってください。

高価格帯のブランドとしてのブランドコンセプト・ストーリーを作る

ハイブランドと提携してシナジー効果を出すためには、住宅ブランドとしてハイブランドになる必要がありますが、その際に重要なのがブランドコンセプトやストーリーです。住宅設計・施工に際してどのようなことにこだわっているのか、どのような体験を提供したいのか、このブランドはどういった経緯で誕生したのか、なぜ高品質だと言えるのかといったことを明文化する必要があります。

このブランドコンセプトやストーリーが可視化されていない、作り込みが甘いとハイブランドにはなれないので、手間や予算を掛けてでもブランドアイデンティティを可視化してください。またブランドアイデンティティを明確にすることにより、提携すべき家具・インテリアのブランドも明確にイメージできるようになります。

住宅営業・接遇のクオリティを高める

ハイブランドの住宅を取り扱う場合、商品そのものだけではなくその住宅が提供されるまでの体験についてもきちんと設計する必要があります。一流のホテルとビジネスホテルの接客が違うように、ハイブランドの住宅とローブランドの住宅では求められる営業の立ち振る舞いやスタッフの接遇クオリティが大きく異なります。

ハイブランドの住宅、家具・インテリアを取り扱うのであれば、そのブランドのグレードに見合う、営業、接客ができているかも同時に検証してください。

さらに拡大して考えれば、ハイブランドを取り扱うということは営業や接客だけではなく、商品作りやマーケティングの仕方も変わってきます。建設資材については基本的にコストパフォーマンスが高い部材よりも高級な部材を使用するべきですし、工法についても付加価値の高い工法を選択すべきです。他にもハイブランドは簡単に値段を下げるとブランド価値を毀損してしまうので、値ごろ感を訴求するのではなく高級感を訴求するべきですし、そのためにクリエイティブの作成には予算を投じるべきです。

このようにハイブランドを取り扱うということはローブランドを扱っている工務店とやり方が何もかも変わることに注意してください。

ハイブランドのフランチャイズに加盟するのも良い

上記3点は自社ブランドの価値を高める施策ですが、実際に価値の高い住宅ブランドを作ることは生半可な取り組みではありません。そのため、手間を掛けずに住宅ブランドの価値を高めるためには既に存在するハイブランド住宅のフランチャイズになる方法も考えられます。

ただし、フランチャイズに加盟する場合でも、その住宅ブランドと家具・インテリアのブランドのコンセプト・ターゲットは一致していないといけないので、どのようなブランドのフランチャイズに参加するかは慎重な判断が求められます。

ハイブランド家具・インテリアを使って住宅ブランドの価値を高める

以上のようにハイブランド家具・インテリアを使った工務店の集客手法について紹介しました。ハイブランドを使った集客を成功させるためには、工務店が扱っている住宅ブランドも同じようなグレードとテイストである必要があります。

よって、ハイブランドと一口に言ってもどのようなブランドと提携しても良いわけではありませんし、住宅ブランドの価値を高めるために住宅のブランドアイデンティティを明確にして、営業や接客の体制もきちんとブランドに見合ったものにする必要があります。

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