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地域に根付いた工務店になるための事例11選

中小規模の工務店は全国系のハウスメーカーやビルダーの真似をするのではなく、地域一番店を目指すべきです。地域一番店とは全国的には知名度は低いけれども、特定地域でのみ高いシェアを獲得している企業のことを指します。

中小工務店は職人の手配や営業の都合上、商圏範囲が限定されていますし、大手のようにCMなどに過大な販促費がかけられません。よって、商圏内でシェアを獲得するためには何をすれば良いのかを考えるべきです。

そして、商圏内でシェアを獲得するために必要な概念が「地域に根付く」ことです。地域に根付くことにより、地域内での認知度アップ、紹介案件の獲得、価格競争に陥らない指名受注の件数アップなど様々な良い効果が期待できます。

本コンテンツでは地域に根差した工務店はどのようなことをしているのかについて11個の事例を紹介します。

本学習コンテンツで出来るようになること
  1. 地域に根付くためのイベントの企画ができる
  2. 地域に根付くための事業の企画ができる
  3. 地域に根付くための心構えがわかる

本コンテンツの学習にかかる目安時間は10分〜15分程度です。


地域に根付くイベント

工務店においてはイベント系販促も活用することもありますが、これは地域に根差す上でも重要です。地域に根差すためのイベントとして活用しやすい集客イベントについて「工務店のお祭り」「子供向け木工教室」「公民館などで開催する住宅相談会」の3種類を紹介します。

参考:

事例①:工務店のお祭り

工務店の中には「感謝祭」や「夏祭り」として年に数回地域住民を招いてのイベントを開催している会社があります。これらの工務店イベントは地域と工務店の接点として非常に有効です。

いざ、建設・リフォームに興味を持ったときにまったく知らない会社に相談に行くのは顧客としても怖いので、お祭りを開催することによって「お祭りに参加したことがある「お祭りに参加していないけど、地域の人がたくさん来ていたのはみたことがある」工務店になることによって、顧客の心理的障壁を下げます。

埼玉県の工務店で、毎年春に地元民を巻き込んだ祭りを開催している事例があります。

事例:黒澤工務店、1000人超イベント「工作広場」や「お菓子袋詰め」| リフォーム産業新聞

事例②:子供向け木工教室

これから住宅に興味を持つだろう客層として小さな子供がいるファミリー層が考えられます。地域に根差したイベントかつファミリー層を開拓する地域に根差したイベントとしては子供向けの木工教室が考えられます。

木工用を教えるにしても道具が必要ですし木材を手配して準備をして、と考えると家庭で木工を教えるのには意外とハードルが高いです。よって、工務店が子供向けに開催する木工教室はファミリー層には人気のコンテンツの1つです。
もちろん、子供向け木工教室を開催しているということは地域の子供の教育にも関わる良い企業として認識されますし、自社の技術力をアピールする格好のチャンスとなります。

事例:H28.8.6 キッズDIY 椅子づくり教室 | 株式会社中村工務店

事例③:公民館などで開催する住宅相談会

集客イベントとして住宅相談会を開催している工務店もあるかもしれませんが、より地域に根付くのであれば公民館などの公的施設を活用した住宅相談会を開催すべきです。

公共の施設で開催した方が地域のイベント感が出ますし、同じ規模の貸しホールなどを借りるよりも安価でイベントが可能となります。

ただし、営利目的での利用を禁止されている場合もありますし、その場で営業すると地域のイベントというより工務店の販促イベントのような空気感になってしまうので、あくまでも相談会中は相談だけして、具体的な商談に発展させるのはイベント終了後の方が良いです。

事例:第58回エコ住まい博のご案内です! | 株式会社たかはし

参考④:OB会活動

地域コミュニティの維持に貢献するという意味では、工務店で家を建てたOB顧客をベースにしたOB会活動も地域に根差すための工務店の活動となりえます。

例えば、BBQ大会やゴルフコンペなどのイベントを開催して親睦を深めることによって、コミュニティが活性化するだけではなく、そこからの紹介案件獲得効果も期待できます。

静岡県の納得住宅工房では、OB向けのオーナーズサイトを用意し、コミュニケーションを密に図り、定期的にイベントを開催しています。

事例:オーナーズサイト | 納得住宅工房株式会社

地域に根付く地域貢献

地域に根付くために地域貢献活動をしている工務店も存在します。地域貢献活動を行う際のポイントは、きちんとプレスリリースすることです。不言実行が好まれることもありますが、企業の場合きちんと行っている地域貢献活動をアピールしないと、そもそも気づかれないというケースも多いです。

事例⑤:地域の清掃活動・交通安全運動

工務店に限らず地域に密着している業種では、地域の清掃活動や交通安全運動など地域コミュニティの維持活動に参画している企業は数多く存在します。

地域貢献のために費用も、大きな手間をかけられないのであれば、まず地域の清掃活動、交通安全活動などに従業員が交代で参加することからはじめた方が良いです。
また、その際には会社の名前が良くわかるように、アウターに会社の名前やロゴが入った衣服を着用すべきです。

事例:環境保全活動 | 株式会社久保田工務店

事例⑥:森林保護関連活動

地産地消の木材にこだわった住宅づくりをウリにしている工務店の場合、森林保護関連の活動も地域貢献かつ自社のこだわりや強みを知っていただくための良い活動です。

例えば、植樹活動やお客様を招いての森林セラピーなど顧客に実際に森林保護活動をしている様子を見せることにより会社の世界観を訴求できます。
また、後述する「SDGs」を絡めて森林保護と国産材の仕様によるCO2の抑制に貢献するといった見せ方もできます。

事例:森づくりの活動 | 株式会社渡邊工務店

事例⑦:各種寄付・寄贈、地域イベントへの協賛

各種寄付や寄贈、地域イベントへの協賛も地域に根付くための施策として有効です。また、プレスリリースとも比較的相性が良いので、ただ寄付・寄贈・協賛を行っただけで終わらせずにプレスリリースも実施してください。特に地元に密着した地域紙に取り上げてもらうのを目指すのが狙い目です。

公共施設にベンチを寄贈したという事例があります。

事例:くまがやドームに自然素材ベンチ寄贈 地元工務店が「街かどに、木のベンチプロジェクト」で

コラム:地域密着とSDGs
近年SDGsが注目を集めています。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、端的に言えばいかに社会が地域コミュニティや環境に配慮して運営しているかを指す言葉となっています。

SDGsには17の目標と169のターゲット(小目標)がありますが、工務店が実施している地域貢献活動に絡められるテーマも数多く存在します。

地域に根付く副事業

地域に根付くために工務店以外の事業に取り組んでいる企業も存在します。工務店が地域に根付くための事業のポイントは接触頻度を高められるもしくは社会的意義のある事業であることです。家を建てるのは一生に一度、リフォームは数年に1回といったように工務店のサービスは購買頻度が低くなってしまうので、高いビジネスと組み合わせることによって定期的な地域住民との接点を獲得し地域に根付きやすくなります。

事例⑧:カフェ

住宅展示場の一部をカフェスペースとして開放している工務店が存在します。カフェということで店内のインテリアコーディネート含めて自社の住宅の世界観を訴求できますし、初期投資も少ないのが特徴です。単体で収益を上げるのは難しいかもしれませんがカフェ運営は見込み顧客を創出する、地域に根付くための販促費と割り切れば十分にコストパフォーマンスの高い副事業です。

自社で運営するのは手間がかかる場合は、シェアレストランのような形で週に1回や月に1回など飲食店活動をしたい人に格安で貸し出して、コラボカフェとして運営する手法もあります。

事例:KJWORKSコラボ食堂&コラボカフェ | Instagram

事例⑨:介護

地域に密着するということで介護関連事業に参入する工務店もあります。例えば、介護用品レンタル事業は比較的に初期投資が少なくても始められますし、住宅改修の案件獲得にもつながるので副事業として行っている工務店もあります。

長年地域に根付いた経営をしてきた工務店はOB顧客が高齢化していることも多いので、OB顧客の終の棲家、生活を守るという社会的意義から介護関連の事業に参入する大義も得やすいです。

事例:オータニグループ

事例⑩:家具・インテリア販売

家具・インテリアは自社の技術力を示す良いサンプルになりますし、購買頻度が住宅より高いので工務店にとって良い副事業です。住宅展示場のスペースの一部を販売スペースにすれば場所も必要ありませんし、新人職人の木工の練習の機会にもなります。

余った端材の有効活用にもつながるし、加工設備は工務店にあるものと兼用できる部分が多いので初期投資もほとんど掛けずに始められます。

事例:造作家具(オリジナル家具)製造・販売 | 株式会社松原工務店

その他地域に根付くため重要なこと

事例⑪:実は重要な建設現場での振る舞い

様々な地域に根付く手法について紹介しましたが、工務店にとって重要なのは実は建築作業中の周辺住民への配慮だったりします。

例えば、建設現場の周辺で休憩時間中に職人が騒いで、たばこの吸い殻が散らばっていたりすれば、それ以外でどのような良い活動をしていてもすべてが台無しになります。地域に根付く、信頼される工務店になるためにはまず建築現場での風紀から現状を分析、誰かに見られても問題ない体制を整備しなければなりません。

事例:現場でのルール | SAKAI株式会社

地域に根付いた工務店になるために

地域に根付いた工務店になるためには本コンテンツで紹介した手法以外にも様々な方法が考えられます。いずれにしても、工務店なのでまずは建築現場の状態を誰に見られても問題ないようにすることから始めた方が良いです。

「家は一生の買い物」なので、お客様との付き合いも自然と一生に近くなります。丁寧で誠実な仕事をする工務店は自然と地域に根づけます。

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