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コロナ禍におけるニューノーマル住宅営業・集客のポイント

コロナ禍により工務店の営業・マーケティング手法は大きく変革せざるを得なくなりました。また、コロナ騒動の終息後もこの際の生活様式は一定程度引き継がれ「ニューノーマル」な営業体制を視野に入れた経営を行っている工務店も多いです。

本コンテンツでは、今後住宅・建設業界に求められると考えられるニューノーマルな営業・マーケティング体制について紹介します。

本コンテンツで学習できること
  1. コロナ禍における住宅営業のあり方
  2. コロナ終息後のニューノーマルな住宅営業のポイント

本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。


コロナが住宅営業に与えた影響

コロナウイルスは飲食・旅行業界を中心にさまざまな影響を与えましたが、少なからず住宅業界にも影響を与えました。

コロナウィルスが住宅業界に与えた影響の例
  • 住宅展示場への来場やオフラインでのイベントによるモデルハウスやショールームなどへ直接来場を促す施策が打ちにくい
  • 感染拡大の恐れがあり直接会っての商談をおこなうことが難しい。特に小さなお子さんや赤ちゃんのいるご家族や奥様が妊娠中という方も多いため面談ができない
  • コロナ不況に関連してウッドショックも発生し、構造材の価格が落ち着くまで少し待つといった今すぐの契約に消極的な顧客にクロージングができない。また住宅の単価自体も上がってしまい失注も発生

上記は実際に発生した影響の一部ですが、コロナウイルス感染拡大が住宅営業に大きな影響を与えています。しかし、このようなピンチは同時に新しい営業・マーケティング手法に取り組むチャンスであり、多くの工務店がさまざまな手法でコロナ禍を乗り越えようとしています。

コロナ禍における住宅営業のあり方

コロナ禍により、対面だの打ち合わせが大きく制限される、イベント集客を自粛せざるを得ないといった様々な弊害が発生しています。このような制限の中での住宅営業のポイントは次の3つになります。

ZOOM営業に慣れる

お客様が打ち合わせに工務店の事務所に来てくれない、自宅に打ち合わせに訪問させてくれないといったことがコロナ禍においてはしばしば発生しがちです。

そのためZOOMやGoogle Meet、Wherebyといったビデオ会議システムを活用してオンラインで商談を行う工務店も徐々に増えています。オンライン商談の場合は、通常の商談と異なり、事前にアジェンダを紹介しないと商談がグダグダになりますし、通信環境によってタイムラグが発生するので話がかぶらないように少し間をおいて話を行うなど独特の工夫が必要になります。

のちほど説明するとおりオンライン会議システムを活用した営業は、ニューノーマル時代(アフターコロナ)にも残り続けると考えられますし、実際に営業してみないと流暢に商談ができないので、コロナ禍のうちに訓練を積んでおく方が良いと考えられます。

事務所・展示場をコロナ対応モードにする

事務所や展示場をコロナ対応モードにしておかないとお客様は安心して訪問できず、商談に至りません。

事務所や展示場を定期的に消毒・喚起するのはもちろん、唾や咳などが悲惨しないようにアクリルの衝立を設置したり、感染予防のために消毒液や非接触温度計を設置したりと設備も充実させ、コロナ禍における店舗運営のルールを対外的に公表するなど、お客様にしっかり対応している旨をアピールしてください。
こうした環境を整備することにより、対面での商談やイベントをする場合でも一定の説得力を持たせられます。

Web集客をベースに受注までのルートを構築する

展示場やイベント経由で大々的に集客するのが難しいので、自然と集客の中心はSNSやWebイベント、ホームページといったWeb集客がベースになってきます。

ただし、Web集客は一朝一夕ではできません。例えば、SNSであれば一定数のフォロワーが存在しないと情報の拡散力が弱いし、Web広告を活用する場合は広告の設定精度を高めるためにコツコツとA/Bテストを繰り返す必要があります。

またコロナ禍か否かに関わらず、長期的な傾向として集客のメインはリアルからWebに移行していくと考えられるので、いずれにしても集客経路の中で徐々にWeb集客の比重を高めていく取り組みは必要です。すでに大手ハウスメーカーはWEB集客を中心とした戦略にシフトしています。

ニューノーマルな住宅営業のポイント

コロナ禍自体は数年のうちに終息するかもしれませんが、この騒動で身体に染み付いた一定の生活様式は終息した後も、消費者の間に残り続けると考えられます。このような生活様式を指して「ニューノーマル」と呼び、さまざまな企業が今後到来すると考えられるニューノーマル時代の営業・マーケティングを見据えて経営をしています。

住宅営業に求められるニューノーマルな営業・マーケティングの特徴としては次のような傾向が考えられます。

打ち合わせはオンライン・オフラインが選択できるように

コロナ禍により、対面しての打ち合わせにかかる労力に多くの消費者が気づきました。工務店を訪問するのは時間も手間もかかるし、営業担当に家まで来てもらうのも少し抵抗があるというお客様もいらっしゃいます。

そのため、オンライン打ち合わせはコロナ禍が終息して以降も一定のニーズが残り続けると考えられます。コロナ禍のようにオンライン打ち合わせを中心に据え置く必要はありませんが、お客様にオンライン・オフラインを選択していただける体制づくりが必要です。

Web、リアルの顧客管理を融合させる

アパレルなどの小売業を中心に、オンラインとオフラインで顧客を統合的に管理、マーケティング・営業を行う「オムニチャネル」に挑戦する企業は増加しています。さらにコロナ禍によって普段実店舗に通っているユーザーでもWebサイトで商品を購入する傾向が高まっています。

このような傾向はコロナ終息以降も変わらないと考えられ、ユーザーはSNSやWebサイトといったオンライン、展示場やイベントといったオフラインの接点の両方でさまざまなアプローチを行いながら住宅・リフォームの購入を決断すると考えられます。

こういった購買行動に対応するためには、工務店として意識的にWeb、リアルの両方での顧客とのコミュニケーション履歴を管理する必要があります。特に近年はMA(マーケティング・オートメーション)ツールと呼ばれる、顧客とのコミュニケーション状況を一元管理して、状況に合わせてフォローメールを自動で送信してくれるツールも発達しているので、オムニチャネル化が容易になりつつあります。

清潔さ・衛生環境には引き続き注意

コロナ騒動により清潔さ・衛生環境に関する意識が高まっています。一度、衛生観念が高まるとなかなか低下しにくいので、事務所・展示場の清潔さ・衛生環境はニューノーマル時代以降も引き続き注意すべきです。

商談スペースでのアクリル板や常時のマスク着用は商談や快適さに一定の支障をきたすので徐々に緩和すると考えられますが、事務所の定期的な消毒・換気や入り口に消毒液を置いておくといった文化はお客様にとって不便ではないので一定程度残り続けると考えられます。

コロナが終わってもお客様の衛生観念が高いまま維持されると考えて、引き続き店舗の感染防止対策は維持しておいた方が良いと考えられます。

ニューノーマルとセットで考慮したいトレンドSDGs

工務店がニューノーマルと同様に押さえておきたいトレンドとしては「SDGs」が挙げられます。SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、環境や人権など様々な要素に対して配慮をしようという取り組みのことを指します。

工務店の商品・営業戦略やブランディングなどにも少なからず影響があると考えられるので、工務店経営者は教養として押さえておくべきです。

ニューノーマル時代を見据えた工務店経営を

コロナ禍が終息してもニューノーマル時代として以前の工務店のマーケティング・営業手法とは異なる手法が未来の工務店には求められます。

ニューノーマル時代の工務店マーケティング・営業はコロナ禍の最中のマーケティング・営業に順応することが前提となるので早期にZOOM営業や展示場のクレンリネス管理、Web集客といったテーマは取り組んでおくべきです。

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