Googleが検索順位を決める際のアルゴリズムは、公表されていませんが常に細かくアップデートされています。
本質的にはユーザーの役に立つコンテンツを分かりやすく伝えられるサイトが評価されますが、その細かなテクニックは常に変化します。
2021年のアップデートを元に2022年のSEO対策について検討します。
- 2021年のSEOのアップデートにどんなものがあったか
- アップデートを踏まえた上で、2022年のSEO対策として何をするべきか
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
2021年のSEOアップデートまとめ
工務店集客においてSEOに関する細かいアップデートまで知る必要はありませんが、大まかな変更点は押さえておくべきです。
2021年にはコアアルゴリズムアップデートだけではなく、コアウェブバイタルの導入を含めて今後のSEO対策に重要な影響を与えるかもしれない様々なアップデートが実施されました。
コアアルゴリズムアップデートは2回実施
Googleは検索順位決定アルゴリズムを毎日のように少しずつ更新していますが、年に数回大幅なアップデートをすることがあります。
「コアアルゴリズムアップデート」とは年に数回のGoogleが検索順位の決定アルゴリズムを大幅に変更させることを指します。
通常、コアアルゴリズムアップデートが実施された直後は検索順位に大きな変動が発生することが多いです。コアアルゴリズムアップデートが実施されると急に検索順位が上下したり戻ったりするので数週間は様子を見守りましょう。
2021年は6月と7月の2回に分割して通常1回で実施されるアップデートが発生、さらに11月にもアップデートが行われました。
細かいアップデートの中身については公表されていませんが、急に工務店のWebサイトにおける自然検索経由の流入が増減した場合はコアアルゴリズムアップデートが実施されたかを調べてもよいかもしれません。
ページエクスペリエンスアップデートを導入
今後のSEO対策に大きな影響を与えるかもしれないアップデートとしてページエクスペリエンスにコアウェブバイタルが新たに導入されたことが挙げられます。「ページエクスペリエンス」とは、あるWebページがユーザーにとって使いやすいかを測定するための指標を指します。
従来から下記の要素がSEOに影響していると言われていました。それに加えて2021年にコアウェブバイタルと呼ばれる指標が加わりました。
セーフブラウジング…マルウェアに感染したり不正なWebが含まれていない
HTTPS…Webサイト上の全ての通信が暗号化されている
煩わしいインタースティシャルがない…広告などが過度に表示されてユーザーが操作しにくいWebサイトになっていない
コアウェブバイタルとはWebサイトのユーザーの体験のを図る指標で、「LCP」「FID」「CLS」と呼ばれる3つの指標によって構成されています。
それぞれの指標については下記で解説しますが、Webサイトを開いた際に「重たいな」「なかなか読み込まれないな」と感じるようなサイトは改善する必要があると考えていただければ結構です。
LCP(Largest Contentful Paint)
LCPとはユーザーが認識するWebサイトのページ表示速度を測定するための指標です。
具体的にはブラウザの表示範囲内で画像や動画など最も大きな(メインとなる)コンテンツが表示されるまでにかかる時間を測定しています。
FID(First Input Delay)
ユーザーが第一印象として感じるWebサイトの反応速度を測定するための指標です。
具体的にはユーザーが最初にクリックやテキスト入力、タップなどを実施した際にブラウザが反応するのにかかった時間を測定しています。
CLS(Cumulative Layout Shift)
操作・閲覧中にWebサイトのずれが発生してユーザーが意図せぬ操作をしてしまわないかを測定する指標です。例えば、Webサイトを見ながらリンクをタップしようとしたら突然画面がスライドしてリンクではなく広告を誤って踏んでしまったといったことがないかを測定しています。
タイトルリンク生成アルゴリズムが変更
上の画像のようにGoogleの検索結果にはタイトルと概要が紹介されています。このタイトルについては基本的にホームページ制作者が公開するときに設定しますが、Google側で違う要素をタイトルにすることもあります。これをタイトルリンク生成アルゴリズムと呼びます。
2021年はタイトルリンク生成アルゴリズムを大幅に変更しましたが、その結果タイトルがWebサイトの意図を外れた文章となり、Webサイト運営者、ユーザーともに混乱するという出来事が発生しました。
このアップデートは1か月程度で修正され、タイトル生成の精度が少しマシになりました。これはタイトルを適切に設定していないWebサイトが多いから行われた措置と考えられますが、正しくタイトルを設定しているWebサイト運営者には悪影響がありました。
アップデートの意図を考えれば、適切なタイトル設定によってSEO対策上有利なポジションを取れることを間接的に示しているとも考えられます。タイトルは、検索画面で工務店のサイトを発見したユーザーにクリックしてもらうために非常に重要です。改めて、主要ページのタイトルを見直しても良いかもしれません。
スパム対策のアップデートも実施
GoogleのSEOに関するアップデートはスパム対策の歴史でもあります。
Webページの自動生成、無断複製されたWebサイトなどアクセスを稼ぐためにさまざまなテクニックを駆使する事業者が存在しており、Googleはこれらの情報の中からユーザーに必要な情報を厳選して提供するために様々なアップデートをしています。
2021年も6月、8月、11月の3回スパム対策のアップデートが実施されました。ただし、スパム技術とその対策はいたちごっこで進化するので2022年以降もスパム対策のアップデートは頻繁に行われることが予想されます。
SEO対策と品質ガイドライン
Googleの技術が進化していくにつれて小手先のアルゴリズムの穴をついたSEO対策がどんどん困難になっています。一方でユーザーの役に立つコンテンツを評価するという原理原則は変化しません。
また個々のコンンテンツの質のみならず、Webサイト全体の「E-A-T」に沿った評価を高めることが重要であるとされています。
「E-A-T」とはGoogleが作成した造語で、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)というGoogleがWebコンテンツの品質を評価する際の3つの基準を指します。
専門性は、Webサイト全体が何かの専門性に特化していることを指します。
権威性は、他のサイトやSNSで評価されているかどうかという観点です。ブランドに近い概念と考えても良いでしょう。長期的にWebサイトを運営することで育まれるものです。
信頼性は、そのサイトの運営者自体が信用できるか、という評価軸です。企業情報などが明確に記載されているかなどが評価ポイントになります。
この「E-A-T」の評価軸からも分かる通り、一朝一夕で対策できるものではありません。工務店のWebサイトとして、住宅やリフォームに関する情報を長年継続的に発信していくことで、少しずつ評価を獲得する必要があります。
SEOの原理原則は変わらない
2021年のSEOアップデート情報について紹介しましたが、本質的には品質の高いコンテンツ、Webサイトを制作しなければなりません。
2021年はページエクスペリエンスアップデートのような今後のSEOに大きな影響を与えそうな改定がありました。よりユーザービリティの高いホームページ作りが2022年も求められると考えられます。