サンキューメールとはお客様に感謝の意を伝えるメールのことを指します。
工務店やリフォーム会社においては、資料請求をしてもらった時、イベントに参加してもらった時などのタイミングでお客様にメールをお送りします。サンキューメールを活用することにより、お客様の印象が良くなったり、商談を前に進められるようになる効果が期待できます。
- サンキューメールを送るメリット
- サンキューメール・電話・手紙の使い分け方
- サンキューメールのシチュエーション別の例文
- サンキューメールを送る際のポイント
本コンテンツの学習にかかる目安時間は10分〜15分程度です。
本コンテンツの目次
サンキューメールとは?
サンキューメールとはお客様に感謝の意を伝えるメールのことを指します。
「お礼」を切り口としたお客様への接触は昔から多くの業界、業種で行われており、メールだけではなく手紙や電話を活用して感謝の意を伝える企業も多いです。
「サンキュー」メールと呼ばれていますが、ただ感謝の意を伝えるだけではなく、お客様に次の行動を促したり、アポイントを取る前段に活用したりと営業を展開するにあたってのきっかけに活用することが多いです。
サンキューメールを送るメリット
サンキューメールを活用するメリットは次の3つです。それぞれについて詳しく解説します。
- お客様からの印象が良くなる
- 接触回数を増やせる
- 次の行動を促せる
お客様からの印象が良くなる
単純にお礼の連絡をくれる人と、くれない人ではいうまでもなく前者の方が印象は良いです。
丁寧な営業をしていることをアピールしたり、お客様に自分は大切に営業されていると思ってもらうためにはサンキューメールを送るべきです。
ただし、サンキューメールを送る企業が増えすぎたため、単なるサンキューメールでは当たり前すぎてお客様の感動を呼ぶことも少なくなってきた点には注意しなければなりません。
接触回数を増やせる
営業・マーケティングに活用される心理学の法則の1つに「ザイアンスの法則」があります。
これはアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが発表した理論で、内容や時間に関わらず相手との接触頻度を単純に増やすことによって相手に対して好感を持つようになるという法則です。
この法則に従うならば、営業しただけでは1回ですが、その後サンキューメールを送ることによって2回分の接触ができ、営業として好意を持たれやすくなるといえます。
次の行動を促せる
資料請求をしたお客様は資料請求したことに満足して、次の具体的な行動には移行しないといったことがよくあります。
こういった事態を防ぐためにサンキューメールにて「資料請求をしたら次は家づくりセミナーに参加しませんか?」といった次の行動を促すことによって商談を前に進められる確率が高まります。
メール・電話・手紙の使い分け方
サンキューメールの他にも営業として相手に感謝の意を伝える手段としてはサンキューコール(電話)、お礼のお手紙などがあります。これら3種類の手法はシチュエーションによって使い分けるべきです。
サンキューメールとお礼のお手紙の使い分け方
サンキューメールとお礼のお手紙の使い分け方のポイントはスピード感とその手間をかけても良いのかということです。
手紙の場合はどうしても物理的にはがきやDMを相手に郵送しなければならないので、すぐ送るべき情報はメールの方が適しています。また手紙を書くのは手間ですし、送料も掛かるので毎回手紙で感謝の意を伝えているとマーケティングとしてのコスパが合いません。
はじめて接触したとき、設計契約をしてもらったときなどの節目はお礼のお手紙で相手の良い印象を持ってもらい、資料請求のようなライトな接触についてはサンキューメールを活用するべきです。
サンキューメールとサンキューコールの使い分け方
サンキューメールとサンキューコールの使い分けは相手との関係性と電話の内容によります。
例えば、住宅展示場に見学に来て来場者アンケートに相談を希望の欄にマルをつけている顧客へのフォローはまずは電話の方が良いです。
お客様側が相談したいと書いているので電話をしても嫌がられませんし、日程の調整をするならばメールで行うよりも電話で相談した方が簡単です。
一方でホームページから資料請求しただけなのにすぐ電話がかかってきてお礼とアポイントメント取りをされても少し怖いと思う人も多いと考えられます。
サンキューメールを送るシチュエーション事例(例文付き)
サンキューメールを送る典型的なシチュエーションとしては次の4つが考えられます。4つのシチュエーションでメールを送る際のポイントと例文を紹介します。
- 資料請求に対するサンキューメール
- セミナー・イベント参加に対するサンキューメール
- お家づくりの打ち合わせ後に送るサンキューメール
- 契約成立後に送るサンキューメール
資料請求に対するサンキューメール
資料請求に対するサンキューメールで気をつけたいのは、次に起こすべき行動を明確に示すことです。
例えば、モデルルームの見学、住宅相談会への参加など資料請求の次に何をして欲しいのかを明文で示してください。
すぐに工事をしたいなど緊急性を要するメッセージがない限りサンキューメールによるフォローで十分です。
この度は資料請求をいただきまことにありがとうございました。
△△株式会社の××と申します。
ご請求いただきました下記の資料お送りいたしますので下記URLからダウンロードください。
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資料名:×××××
URL:×××××
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資料をご覧いただき、ご不明なことがございましたらお気軽に私までお申し付けください。
こちらのメールにご返信いただいても結構ですし、私の携帯電話番号(×××-×××)にかけていただいても結構です。
また、資料だけでは分からない点が多いと思うので、弊社ではモデルルーム見学を推奨しています。下記URLからモデルルームの様子と見学予約が簡単にできるようになっているのでぜひご確認ください。
モデルルームの様子・見学予約はこちら
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セミナー・イベント参加に対するサンキューメール
セミナー・イベント参加に対するサンキューメールも次に起こすべき行動を明確に示すことが重要です。
アプローチの仕方については必ずしもサンキューメールが良いとは限りません。
既に商談化できそうなお客様についてはサンキューコールによって初回アポイントの日程を確保するべきです。
〇〇様
この度は弊社の勉強会「×××」にご参加いただきまことにありがとございました。
少しでも〇〇様のお役に立てたのであれば幸いです。
当日は率先して質問してくださり、場を盛り上げていただきありがとうございました。おかげさまで私も楽しく間取りについての考え方について説明できました。
ところで、〇〇様以前のアンケートで土地を探しているとおっしゃっていたと思うのですが、×月×日に不動産会社と共同で住宅づくり向けの土地探し会というイベントを企画しております。
下記URLから詳細確認、予約可能ですのでよろしければご参加ください。
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お家づくりの打ち合わせ後に送るサンキューメール
商談が終わった後に送るサンキューメールについては、商談の内容をきちんと反映した内容であることが重要です。
例えば、商談中にしたちょっとした雑談であったり、家に対する要望などお客様がこだわっていることが工務店側にきちんと伝わっていることをアピールします。また、次回のアポのリマインドなど連絡事項も入れておく必要があります。
〇〇様
この度はお打ち合わせにお越しいただきまことにありがとうございました。
〇〇様をご担当させていただく××と申します。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。
〇〇様も野球が趣味とのことで誠に勝手ながら非常に親近感を覚えました。また色々お聞かせいただければと存じます。
本日、打ち合わせした内容、さっそく設計担当に伝えて〇〇様へのご提案に反映させていただきたいと思います。ちなみに次回のお打ち合わせは×月×日になります。また直前になったらリマインドさせていただきますね。
取り急ぎお礼まで、乱文で恐縮ですがどうぞ今後ともよろしくお願い致します。
契約成立後に送るサンキューメール
契約成立後にサンキューメールを送るならば、住宅のように高単価な場合、お礼のお手紙にしておいた方が良いこともあります。
小規模リフォームであればメールでも充分です。契約が成立してもドタキャンもありえますし、契約が決まってから急に営業が雑になるのはクレームの原因にもなりえるので、契約が成立した後も丁寧な対応が求められます。
〇〇様
この度はご契約まことにありがとうございました。
××株式会社の××でございます。
本日ご契約いただいて、これから本格的にお家づくりが始まるわけですが
改めて〇〇様のご希望の住宅を建築できるようにと気を引き締めなければと思った次第でございます。
何かご不明な点があれば、どのような些細なことでも結構ですのでどうぞお問合せくださいませ。
サンキューメール配信時に気をつけるポイント
サンキューメールを配信する際に気を付けたいのが、サンキューメールはスピードとクオリティを両立させなければならないこと、システムを使って顧客とのコミュニケーション履歴を管理しなければならないことの2点です。
実はメールの3割は配信先に到達していない?
あるメルマガ配信システムの会社によると、送った一斉メールのうち3割は何らかの理由で配信先に届いていないと言われています。
これは単純に配信先のメールアドレスが使われていなかったといったケースが考えられますが、送信先のサーバーに迷惑メール扱いされたり、何らかの技術的な事情で到達していなかったりというケースも考えられます。
そのため、サンキューメールをはじめとして、メールマーケティングを実施する際はメールは到達して当たり前と思わずに、一斉メールを送る際にはメールがきちんと配信されているかをチェックしなければならないと覚えておく必要があります。
スピードだけではなくクオリティも重要
もう1点気をつけなければならないのが、サンキューメールにはスピードだけではなくクオリティも重要だということです。
資料請求をすると自動的にサンキューメールが送られてくるのが当たり前になった昨今においては、ただサンキューメールが送られてきただけではユーザーは感動しません。クオリティ自体を気にする必要があります。
クオリティに関して気をつけたいことが個別感です。
資料請求のようにまだ相手のことがわからない状態では一律のサンキューメールを出すしかありませんが、会ったことがある顧客などに対しては一文その顧客に対してオリジナルの文章を挿入するといった創意工夫が必要です。
明らかにテンプレートではない文章がサンキューメールの中に送信されていることによって、お客様は自分のためにわざわざメールを書いてくれたと思って好感度があがります。
サンキューメールの後のシナリオも考える
資料請求された際に1通サンキューメールを送るだけでは、お客様がそのメールに反応しなければそこで追客が途切れてしまいます。
サンキューメールは感謝の意を伝えるものでありながら、アプローチのきっかけを得るためのものでもあるので、サンキューメールを送信した後のシナリオも考慮して送信する必要があります。
例えば、
1日目:資料請求へのサンキューメール
3日目:資料に関して何か不明な点はなかったか確認するメール
7日目:ZOOM相談の案内メール
14日目:今後開催予定の家づくりに関する勉強会の案内
といったように、お客様にサンキューメールを送った日を起点にして日にちを開けてメールで情報提供をするべきです。ちなみに、このようにお客様の状況に合わせて自動的にメールを送っていく仕組みを「シナリオメール」と呼びます。
顧客へのアプローチ状況を可視化する
顧客とのコミュニケーションはメール以外にも電話、対面、DMなど多岐に渡ります。そして一組の顧客に対しても営業担当、営業事務、設計担当など複数の工務店関係者が関わります。
そのため、顧客とのコミュニケーション履歴管理を意識して実施しないと、サンキューメールに限らず、従業員ごとにバラバラにコミュニケーションしてしまうケースもあります。
サンキューメールの送信、反応履歴だけではなくその他どのようなアプローチをしているのかも含めて状況を可視化しないとサンキューメールの効果をフルに発揮できません。
メール配信システムがサンキューメールのカギに?
以上のことを踏まえると、サンキューメールによるマーケティングを実施するためには、マーケターの能力も大切ですがインフラとしてメール配信・顧客管理のシステムが整っていると効率的です。
メール配信システムの上位互換とて顧客毎に決められたルールに従ってメールを送ったり、コミュニケーション履歴を元に営業案件としてのホットさを測定してくれるスコアリング機能を持ったMAツールというシステムがあります。
これに加えてMAツールと連動した顧客管理ツール(CRM)を持つというのが、メールマーケティングを実施する際に求められるインフラです。
サンキューメールを活用して成約率を高める
サンキューメールを活用することにより、お客様のお客様からの印象が良くなる、接触回数を増やせる、次の行動に促せるなどの効果が期待できます。
ただし、サンキューメールはありふれたものでもあるので、お客様を感動させるためには一定のクオリティ以上のメールマーケティングが求められます。また、メール配信システム(MAツール)、顧客管理システムを組み合わせたインフラ整備も検討が必要です。