Webマーケティングにおける2大手法がリスティング広告とSEO対策ですが、いずれにおいても検索キーワード選びが重要です。本コンテンツではリスティング広告を実施する際のキーワード選定方法について解説します。
なお、工務店の棟数規模別のキーワード戦略については「工務店のSEO対策における棟数規模別の戦略」で詳しく解説しているので合わせてご確認ください。
- リスティング広告のキーワードを選定する際のポイント
- リスティング広告の設定方法
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
リスティング広告のキーワード選定
リスティング広告のキーワード選びではニッチだけども反響が高いキーワードを探すというのが基本になります。
例えば「注文住宅」というキーワードは検索ボリュームが大きい半面、競合が激しく広告費がかかります。一方で「注文住宅 神戸市 北欧風」といったキーワードは検索ボリュームが少ない半面ライバルが少ないので広告費は抑えられると考えられます。
このように軸となるキーワードを決めて、ニッチにニーズがありそうなキーワードを探すことによってコストパフォーマンス高いリスティング広告運用が可能となります。リスティング広告のキーワードの選定は次の4つの順番で行います。
- 軸となるキーワードを決める
- キーワードプランナーを活用する
- サジェストキーワードを調べる
- 手動でキーワードを調整する
軸となるキーワードを決める
まず調査をするにあたって軸となるキーワードを決めます。
決め方はアイデアベースで大丈夫です。「注文住宅」「リゾート風住宅」「バリアフリー住宅」といったように、工務店が建築している住宅の性質や工務店の強みによってキーワードを決定してください。3つ程度出せば十分ですし、多くても5つ程度軸となるキーワードが決められれば良いです。
キーワードプランナーを活用する
軸となるキーワードから派生してどのようなキーワードにニーズがあるのかをチェックします。
Googleが提供しているキーワードプランナーを使って、軸となるキーワードを入力し、「結果を表示」をクリックします。
検索キーワード別の検索ボリュームと競合性、広告価格の目安が表示されます。右上のダウンロードボタンを押せばCSVでキーワード一覧をダウンロードできます。上の画像では検索ボリュームが100~1,000のように曖昧になっていますが、リスティング広告に課金すると具体的な検索ボリュームが閲覧できるようになります。具体的な数字は知りたい場合は一度Google広告を数千円程度運用してから検索ボリュームが明確になった状態で本格的なキーワード選定に入ると良いです。
サジェストキーワードを調べる
上の画像のように「注文住宅」と検索すると他のキーワードとして「注文住宅相場」「注文住宅 間取り」といったキーワードが提案されます。このようなキーワードはサジェストキーワードと呼ばれていて、リスティング広告のキーワードを探す際のヒントとなります。
「注文住宅」というビックキーワードを狙うよりも「注文住宅 ●●」といった2語以上からなるキーワードを狙った方がピンポイントでユーザーを捉えられ広告費も抑えられる傾向にあるので、サジェストキーワードの中でも住宅の資料請求などにつながりそうなキーワードは調べるようにしてください。
手動でキーワードを調整する
キーワードプランナー、サジェストキーワードの情報を元にリスティング広告に使用するキーワードを決定します。提案されたすべてのキーワードを設定するのではなく、キーワードを見ながら手動で調整した方が良いです。
例えば「注文住宅 土地探し」というキーワードは、どちらかと言えば住宅そのものよりも土地探しのニーズが高いキーワードなので、工務店として土地探しをサポートしていない場合、このキーワードで検索しているお客様をホームページに誘導、問い合わせが発生しても対応できないケースが考えられます。お客様の検索意図を想定して、除外するキーワード、特に注力したいキーワードなどを決定してください。
リスティング広告設定の流れ
キーワードのマッチタイプを指定する
上記4つの手順を踏まえてキーワードは選定しますが、リスティング広告においては検索キーワードだけでなく、キーワードのマッチタイプなどを指定しなければなりません。リスティング広告における一致方法は次の3つです。
前提として、「風呂」と「フロ」のような表記ゆれ、「注文住宅 さいたま市」「さいたま市 注文住宅」のような語順の違いは同じものとして扱われるので別々に設定する必要はありませんし、Googleが検索意図が同じと判定すればそのキーワード同士も個別に設定する必要はありません。
完全一致
登録したキーワードに対して、完全に一致する検索語句で検索したユーザーのみに広告を表示します。一番、マッチング範囲を狭く絞る設定方法です。完全に一致する語句といっても語順や表記ゆれがあってもマッチングします。
フレーズ一致
完全一致の次にマッチング範囲が狭い一致方法です。語句の間に別の単語が入ると広告を表示しません。
例えば、「千葉市 リフォーム」をフレーズ一致で指定すると、「千葉市 リフォーム キッチン」はマッチングしますが、「千葉市 キッチン リフォーム」は千葉市とリフォームの間にキッチンという言葉が入っているのでマッチングしません。
部分一致
登録したキーワードにマッチングしていると広告システムが判断したキーワードに対して広告を表示します。指定したキーワードの語句そのものが含まれない場合もあります。具体的にどのようなアルゴリズムでマッチングしているかは公開されていませんし、適宜調整されていると考えられます。
予想もしないキーワードとマッチングしていることもあるので、部分一致に指定したキーワードについては適宜監視しておかなければなりません。
除外キーワードを設定する
絞り込み部分一致や部分一致のように、キーワードのマッチング範囲を広く設定すると予想外のキーワードとマッチングする可能性があります。例えば、「注文の多い工務店」はゲームのマインクラフトに関するYouTubeチャンネルですが、部分一致だと「工務店」というキーワードとマッチして広告が表示される可能性があります。
もちろん、この広告をクリックされても問い合わせが発生することはないので、こういったキーワードに対しては広告を表示しないように設定します。
そのために必要なのが除外キーワードの設定で、除外キーワードに設定しておくことで無駄な広告表示を防げます。
検索クエリをチェック、完全一致化する
実際にユーザーが検索しているキーワードのことを「検索クエリ」と呼びます。リスティング広告において最もコストパフォーマンスが良くなりやすいのが、検索クエリを完全一致で指定している場合です。
完全一致以外のマッチング方法で設定している場合は、具体的にどのようなクエリでマッチングしているかを調べてクリック率が高いクエリについては完全一致に指定するようにしてください。
キーワード改善でリスティング広告のコスパは良くなる
検索キーワードを選ぶことによってリスティング効果のコスパは良くなります。軸となるキーワードを決め、キーワードプランナーなどのツールを活用して、ニッチだけれども問い合わせにつながるお宝キーワードを探してください。
また、リスティング広告を運用するにあたって一致方法の使い分けも重要です。マッチングするけれども問い合わせに繋がらないキーワードは除外キーワードに指定、検索クエリの中で特に反響が良いものは完全一致に指定してください。