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工務店の集客イベント10選~具体例とマーケティング手法について~

工務店にとって重要なマーケティング手法が「イベント」です。イベントには新規の見込み顧客を集める効果と商談中の顧客との接触頻度を保つ効果、既存顧客のアフターフォロー効果の3つの性質があります。

イベントを上手に活用することにより新規顧客数、成約率、LTV(顧客一人あたりがもたらす利益)の3つを向上させることができ、ひいては業績の安定につながります。工務店が知っておくべき集客イベントを新規顧客開拓、成約率アップ、LTVの向上という3つのテーマで合計10個紹介します。

工務店の10個の集客イベント

新規顧客獲得に有効な集客イベント

住宅は高価かつ購買頻度が低いため、工務店の新規顧客獲得コストは一般的に高くなりがちです。ただし、開催原価の低いイベント集客を開催することにより顧客獲得単価を改善、少ない営業で多くの顧客をフォローできます。

1:完成住宅・モデルハウス見学会

まず集客イベントのオーソドックスな手法として挙げられるのが、完成住宅やモデルハウスの見学会です。ただし、完成住宅やモデルハウスの見学に来る顧客は、すでに購買意欲がある程度高まっている状態なので、競合他社との顧客獲得競争は激しくなりがちです。

完成住宅見学会ならば住宅そのものだけではなく施主のライフスタイルにも切り込む、モデルハウスなら見るだけではなく、後述する宿泊体験会のようなよりリアリティーのあるイベント立案が求められます。

2:地域向けのお祭り

地域密着型の工務店が実施するべきイベント集客として挙げられるのが地域向けのお祭りです。売り込み要素をできるだけ排除して、来場者プレゼントや抽選会、食べ物の屋台を出し、マルシェを開き、ちょっとした芸人や歌手を呼んでのショーなどの楽しそうなイベントを開催します。受注のための要素はそれほど強調せず、相談ブースを作る程度が良いでしょう。

こうして潜在顧客の認知度を高め、印象を良くすることにより何か住宅関連のトラブル・住宅購入ニーズが発生したときに相談しやすい関係性を構築します。

3:子供向け工作教室

子供が小さいファミリー層は工務店にとってメインターゲットとなります。このような客層を集客しやすいのが子供向け工作教室(こども工務店)です。

夏休みなどの子供が長期休みに入る期間に親子で参加できる子供向けの工作教室を開きファミリー層を集めます。工作のテーマは自社の職人の技術をアピールできるように木工系のものが良いでしょう。

地域向けのお祭りと同様に認知率をアップし、印象を良くする効果が期待できます。

4:土地探し・リノベーションツアー

住宅を購入したい意欲があるものの、まだ準備が整っていない客層を集客・営業する際に活用すべきなのが、土地探し・リノベーションに関するツアーです。すなわち、家を買いたいけどそもそも土地やリノベーションする住宅が存在しない顧客を発掘して、具体的に土地や中古住宅を紹介すれば案件を顕在化できます。

実際に行う場合は不動産会社、ディベロッパーなどの協力が必要になることが多いので、連携できる企業開拓も必要です。

新規顧客開拓の要素はもちろん、漠然と住宅を購入しようとしている既存顧客に対して商談を前に進める成約率アップ要素を持ったイベントでもあります。

成約率アップに有効な集客イベント

住宅は高価な買い物のため検討期間は長期化する傾向にあります。よって、検討期間中接触頻度を保ち、競合他社との比較競争に勝たなければせっかくの案件が不成立となります。顧客に有益な情報を提供し、成約率をアップさせるために有効な集客イベントを4種類紹介します。ちなみにどのイベントも成約率アップだけではなく一定の新規顧客獲得効果も期待できます。

住宅見学イベント写真

5:住まいの勉強会イベント

顧客の検討期間中に定期接触を図るイベントとして効果的なのが住まいの勉強会です。3か月もしくは半年を1クールとして、施主の視点から良い住宅を作るために必要な勉強会を定期開催します。

【住まいの勉強会イベント例】

・ハウスメーカー・工務店の賢い選び方講習

・家が完成するまでの過程の見学会(基礎、上棟、内装、完成段階で1回ずつなど)

・インテリアに関するセミナー

さらに後述する宿泊体験会や資金相談セミナー、植樹会のようなイベントを勉強会の中に組み込むことも良いでしょう。スケジュールを指定して住宅に関する知識・自社のこだわりを勉強会形式で伝えることにより、主導権を持って商談が進められます。

6:宿泊体験会

モデルハウスを保有している工務店の場合、成約率をアップさせるために宿泊体験会を開催するのも良いでしょう。

自動車に試乗するように、実際の家の良さは見学だけでは物足りずそこに住んでみないと体感できません。宿泊体験で実際にお客様にモデルハウスで寝泊まりしてもらうことにより、そのお客様のロイヤリティや購買意欲は高まります。

なお、宿泊体験会は手間がかかり1モデルハウスにつき1日1組しか招待できないので新規顧客獲得手法としてのパフォーマンスは決して良いとは言えません。あくまでも成約率を高めるために使用した方が良いでしょう。

7:資金相談セミナー

お客様にとって家を購入する際に、大きなボトルネックになるのが購入資金です。おそらく多くの顧客は長期ローンを組むので資金的に耐えられるのか、ファイナンシャルプランニングのサポートが必要になります。

保険代理店やファイナンシャルプランナー、あるいは金融機関と連携して家づくりだけではなくライププラン全般の設計からフォローすることにより、案件を具体的に進められるようになります。

8:植樹会

木などの自然素材、地産地消の家づくりにこだわっている場合は植樹会イベントも集客・成約率アップのための良い手法となります。

家づくりに使っている素材の良さを伝え地域資源の循環を大切にしていることを、植樹会を通じて顧客に伝えることにより、工務店としての社会性の高さやサービスの品質を訴求し他工務店・ハウスメーカーとの差別化を図れます。

LTVの向上に有効な集客イベント

お客様にとって家は一生の買い物だと言われています。特に地域密着の工務店の場合はお客様を適切にアフターフォローし、地域での評判を獲得する、自然と地域住民から住宅の相談が来るような環境を構築しなければなりません。

また、丁寧なアフターフォローにはLTVを向上させる効果も期待できます。アフターフォローによりLTVを向上させるための集客イベントを2つ紹介します。

9:OB会

工務店で住宅を建てた方をOBとして位置づけ、定期的にOB会を開催したり、会誌を送付したりといった手法がアフターフォローにおいては有効です。

簡単な交流会を開催して、顧客同士の横のつながりを形成することによって顧客の離脱を防ぎ、顧客基盤を通じてリフォームなどを含めたアフターマーケットを開拓することによって工務店の収益性を高められます。

10:リフォーム相談会

新規集客にも活用できますが、リフォーム相談会もLTV向上にとって核となるイベントです。顧客のライフサイクルやプランに合わせて住宅に求められる機能も変化するので、顧客は身近ですぐ住宅のことを相談できるアドバイザーを求めています。増改築はもちろんバリアフリー化やオーダー家具といったニーズも充分に考えられます。

重要なのは売り込み色を出さないようにすることで、親身に相談する姿勢と客観的な視点からのアドバイスが求められます。

新機集客を狙うのならばチラシやWebマーケティングにより広く見込み客を集めることも必要ですが、LTV向上だけを狙うなら既存顧客に対してのメルマガやDMでイベントに集客しても良いでしょう。

リフォーム営業のコツ

リフォーム営業のコツについては、こちらも合わせてご確認ください。

イベント集客で成功する3つのポイント

集客イベントは思い付きで実行しても成功しません。イベント集客を成功させるためには綿密な準備とアフターフォローが必要となります。「顧客名簿」「年間スケジュール」「接触頻度」の3キーワードに注意してください。

告知のための顧客名簿を整備する

チラシやWebサイトでも告知も重要ですが、さらに重要なのは顧客名簿の整備です。全くの新規獲得と既存顧客へのアプローチでは反響率や集客コストが大きく異なります。よって既存顧客にDMやメルマガを送ることがイベント集客では重要となります。

また、住宅は商材の性質上、検討期間が長く接触頻度を高めないと成約に至るのが困難なので顧客名簿を整備して細かくコミュニケーション状況をチェックしないと成約率は高まりません。

年間スケジュールを立て計画的にイベントを開催する

イベント開催には費用も期間もかかります。よって思い付きでイベントを連発すると準備が完璧ではない、告知期間が短くて集客に失敗するイベントが量産されます。

集客イベントについては年間スケジュールを立てた上で、準備・告知の十分な期間を取りPDCAを回せるような仕組み作りが求められます。

見込み顧客との接触頻度を保つ

新規顧客を獲得すればおしまいではなく、むしろ重要なのは検討中の顧客と接触頻度を保つことです。見込み顧客と接触頻度を保つためにはメルマガやDMといった手段も有効ですが、イベントに参加してもらう方が容易に顧客のロイヤリティを高められます。

イベント集客については純粋な新規顧客獲得だけではなく、既存顧客との接触頻度の確保も念頭においてイベント設計した方が良いでしょう。

工務店がイベント集客を成功させるためには

工務店にとってイベント集客は重要なマーケティング手法です。ただし、思い付きでイベントをしても成功はしません。イベントの目的を明確にし、準備・告知に時間をかけた上で、丁寧に参加者をフォローする体制を構築することがイベント集客のポイントとなります。

本コンテンツで紹介した10個のイベント例をベースに自社にとって効率の良い集客イベントを追求してください。

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