住宅営業の売り方は時代と共に進化します。例えば、大手住宅メーカーのテレビなどのマスメディアや新聞折り込みチラシを使い住宅展示場に誘導する手法は1960年代から活用されていましたが、近年は徐々にWebマーケティングに取り組む事業者も増えています。また、Webマーケティングについても、Webサイトさえあれば良かった時代からWeb広告が重視される時代、SNSでの関係性構築が重視される時代といったように時代と共に住宅営業のポイントは変化します。
本コンテンツでは最新の住宅営業の売り方のトレンドについて、営業・マーケティングの両面から紹介します。
- 住宅営業の売り方(営業)
- 住宅営業の売り方(マーケティング)
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
住宅営業の売り方:営業編
2020年に発生したコロナウイルス感染拡大は2021年になっても収束の兆しを見せず、終息後も元の営業体制には戻らないと考えられます。リモート営業を常時行えるように仕組みを構築する、わざわざ展示場・工務店に行く付加価値を追求することの2つが営業のポイントになります。
リモートで営業を行える体制を洗練させる
コロナの感染拡大によってZOOMやスカイプによるオンライン打ち合わせ、展示場案内を導入した工務店は少なからず存在すると考えられますが、あらためて打ち合わせはわざわざ訪問しなくても、オンラインで行った方が効率的なのではないかと思った工務店の方々も多いのではないかと考えられます。
お客様も同様で、オンライン打ち合わせの便利に気づいたお客様の中にはコロナ騒動終息後もリモート営業を希望されるお客様も多いのではないかと考えられます。
こういったお客様のために引き続きリモート営業が行える体制を洗練させていく取り組みが工務店では必要です。
オンライン営業に特化したロープレを行う、理解しやすいように動画コンテンツを充実させるといったオンライン特有の売り方に対応した営業を構築・洗練させていく取り組みが必要です。
わざわざ展示場・工務店に行く付加価値を追求する
オンライン営業のニーズが高まるといっても、あえて展示場で行く、工務店の事務所に訪問することの付加価値は存在するはずです。この付加価値の追求も今後の住宅営業においては重要な要素となります。
オンラインで伝わるのは、映像、音だけなので、匂いや触感、空気感といったものはオンラインでは伝わりませんし、素材の細かな善し悪しを見ようと思えばビデオチャットの解像度では限界があります。
展示場・工務店に来てくださったお客様に提供できる付加価値は何か、それをどのように伝えるべきなのかを今一度整理して、オンラインで完結するコンテンツとオフラインでしか伝えられない高付加価値のコンテンツを選別して、オフラインの高付加価値コンテンツの良さを訴求して来店誘導を行いましょう。
住宅営業の売り方:マーケティング編
近年はDX(デジタル・トランスフォーメーション)といってITにより顧客の購買体験を変革しようというトレンドがあらゆる業界で発生しています。住宅業界でも既に発生しており、お客様との関係性づくりも徐々に変化しつつあります。「DX技術による効率的な住宅マーケティングを追求する」「顧客獲得・育成を長いスパンで仕込む」という2つのポイントについて紹介します。
DX技術による効率的な住宅マーケティングを追求する
DXといえば、何か難しい印象があるかもしれませんが、お客様との出会い方、付き合い方が多様化しているので、それに合わせて工務店のマーケティングの仕方もITを活用して変えていかなければならないと考えれば大丈夫です。
昔は情報量が少なく、お客様は住宅を建てたいと思えば最寄りの工務店に行ったり、新聞折り込みチラシはたまたま入っていた住宅展示場に行くといったケースが大半でした。しかし、現在はインターネットの発達により検索キーワードを入力すればさまざまな工務店情報がありますし、SNSで自分が良いと思った施工事例写真を投稿している工務店に相談するといったことも可能です。
インターネット上でお客様と接点を持ち、どうリアルに誘導するか、オフライン・オンラインで接触を重ねてどのように見込み客を育成するのかをあらためて考える必要があります。
そのためにもマーケティングを半自動化するマーケティングオートメーションツールを導入している工務店も多いです。
顧客獲得・育成を長いスパンで仕込む
インターネットにより情報があふれている昨今においては、お客様と工務店が接点を持ってから実際に成約に至るまでの期間は長くなる傾向があります。よって、工務店側の顧客獲得・育成に関する考え方も見直すべきです。
工務店の選び方、お金の用意の仕方といった具体的に発注を検討し始めているユーザーに合わせたコンテンツだけではなく、〇〇風なお洒落な住宅コーディネートパターン、最新の住宅設備はここがすごい!といったように漠然と家を調べている人が興味を抱きそうなライトなコンテンツの割合を高める必要があります。
このようにお客様が興味を持ち始めた初期段階から最終的に発注先を決める段階まで、飽きさせないような仕込みを今のうちから行っていってください。
参考:見込み顧客管理のポイント
住宅営業の原理原則を守りながら売り方を時流に適用した売り方を目指す
住宅は高額かつ検討期間が長い商材なのでお客様に寄り添った対応をしなければならないという原理原則は変わりませんが、お客様の購買購読やIT技術は毎年のように変化します。原理原則を踏襲しつつも時流の変化に適応した住宅の売り方を追求しましょう。