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工務店の成約率を高める追客の方法

お客様が住宅の購入を検討し始めてから実際に契約するまでには半年から1年程度の期間がかかると言われています。また、住宅は人生で一番高い買い物だと言われていますので、大抵のお客様は複数の住宅会社にアプローチしてじっくりと検討します。

そのような状況で重要なのが、数ある住宅メーカー・工務店の中から選ばれるように追客活動に取り組むことです。ただし、追客をしすぎるとコストもかかりますし、お客様にしつこいと思われてかえって成約率を下げてしまう可能性もあります。

工務店における追客の重要性について

工務店において重要なのが「追客」です。追客の精度が高く成約率が高い企業は広告に多くの予算を投下できて、さらに高い成約率からお客様を獲得できる正のループに入りやすいからです。一方で成約率の低い企業は成約率が低いため広告に予算を掛けられない、広告に予算を掛けられないからさらに案件を獲得できないという負のループに陥りがちです。

案件獲得コストはどのように決まるのか?

注文住宅は高単価なため、どうしても1件当たりの案件を獲得するためのコストが高くなりがちです。そして1件あたりの案件獲得コストは次の式で決まります。

案件獲得コスト=問い合わせ発生コスト÷成約率

例えば、問い合わせ1件獲得に30,000円、成約率が20%の場合は

30,000÷20%=150,000

すなわち、1件の注文を獲得するのに150,000円の経費が掛かるということになります。

成約率の方がコントロールしやすい

「問い合わせ発生コスト」については工務店だけの努力で下げることは困難です。同じ広告手法で競う場合、競合との宣伝競争になって広告費が高騰、問い合わせ発生コストが同業他社より極端に安くなるというケースはあまり存在しません。

一方で成約率はトップ企業と低い企業で大きな差が出る可能性があります。顧客はエリア内で一番サービスなどが優れた企業から商品を購入したいと思うので、一番の企業に契約が集中するからです。

成約率の高い企業は広告にも予算を投下できる

成約率が高い企業は広告にも多くの予算を投下できます。例えば、1件あたりの案件獲得コストを200,000円まで出せる企業が2社あってA社の成約率は20%、B社の成約率は25%の場合、それぞれの問い合わせ1件獲得に使用できる限界コストは以下のとおりとなります。

A社:200,000円×20%=40,000円
B社:200,000円×25%=50,000円

もちろん、B社の方が限界コストは高いので広告手法の選択肢が広く、またGoogle広告のようにオークション形式の広告では有利なポジションを獲得できます。

成約率の高い工務店ほど広告投資もしやすくなるのでますます案件を獲得でき、成約率の低い工務店ほど成約率が低いので集客の選択肢が少なく、広告を出す際に不利になりやすい傾向があります。

代表的な追客の方法

以上のように成約率とそれを高めるための追客活動は工務店の収益を決める重要な要素ですが、大きく分けて「人的な営業」「リアル系追客ツール」「Web系追客ツール」の3つがあります。それぞれの追客手法としての特徴について説明します。

人的な営業

まず思いつくのが、電話を掛けたり、来店してもらったりあるいはお客様の家に訪問して行う人的な営業です。人的営業のためには従業員に人件費を払う必要があるので最もコストがかかる追客手法です。

ただし、見積書や提案書を説明したり、クロージングを掛けたりと営業のステップ毎にどうしても人的営業をしなければならないポイントが存在します。

DMなどのリアル系追客ツール

完成住宅見学会や住宅勉強会の案内はわざわざ人間が行わなくてもDMなどのリアル系集客ツールで十分です。実際にまだまだ一度問い合わせが発生したお客様にDMでイベントを案内して営業、成約まで持っていく工務店も多いです。

ただし、お客様にDMを送付するのにもコストがかかりますし、送付したDMが実際にお客様に見られているのか測定するのは困難なので広告としてPDCAを回しにくい傾向があります。

メルマガなどのWeb系追客ツール

このようなリアル系追客ツールの欠点を克服できる可能性があるので、メルマガなどのWeb系追客ツールです。

特にメールを使った販促の場合、どのユーザーがメールを開封したのか、メールのURLをクリックしてWebサイトを閲覧したのかなど細かくユーザーの行動を分析できるのでPDCAを回しやすい特徴があります。

追客を成功させる3つのポイント

「人的営業」「リアル系追客」「Web系追客」の3つの手法の組み合わせて顧客をフォローし成約まで持っていくのが住宅営業の原則です。ただし、住宅は単価が高く、検討期間が長い商材であるがゆえに追客が難しいポイントが3つ存在します。それぞれの3つのポイントの対策を行えば住宅営業の成約率は飛躍的に向上します。

追客を成功させる3つのポイント
  • 顧客を細かく管理する
  • 顧客の前向き度を測定する
  • 「売り込み感」を出しすぎない

顧客を細かく管理する

顧客の検討期間が長いため、通常の商材と比較すると問い合わせ獲得から契約に至るまでの接触回数が多い傾向があります。多数の顧客とのアプローチ状況を把握するためには、どの顧客に何を説明して、次に何を説明するべきか営業ステップを細かく顧客ごとに管理しなければなりません。

顧客を細かく管理、情報共有するためには営業管理ツールなどのシステムを駆使して営業状況を「見える化」し、進捗状況を客観的に管理できるようにして工務店全体で営業に取り組む必要があります。

顧客の前向き度を測定する

検討期間が長いのですぐに顧客が契約に前向きになることはほとんどありません。ちょっとずつ接触を重ねて顧客のマインドを前向きに進めていき、自社に対する購買意欲が高まった状態でクロージングをかけないと成約しにくいのが住宅営業です。

顧客の購買意欲がどの程度高まっているかは営業担当が顧客とコミュニケーションを取った感覚値で測定することもありますが、これまでのアプローチ状況や顧客の行動など客観的なデータからも顧客の前向き度を測定してタイミングを計った方が良いでです。

「売り込み感」を出しすぎない

住宅のような高単価の商材を販売する際に気を付けたいのが「売り込み感」です。もちろん検討の最終段階では、顧客に一歩踏み出してもらうために強めのクロージングをかけることはあるかもしれません。ただし。検討初期の情報提供ステップであまり売り込み感を出してしまうと、かえって顧客が離脱する要因になりかねません。

営業がフォローした方が確実にお客様に説明できる、状況を分析しやすいからといって、過度に顧客に面談を求めると売り込み感が出すぎてしまう可能性があります。

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