仕事・キャリアを考える上で欠かせないのが資格です。住宅業界には取得すると仕事で有利になる資格がいくつか存在します。本コンテンツでは住宅業界で働く際に役に立つ5つの資格について紹介します。
- 住宅業界で役に立つ資格の種類がわかる
- 資格の取得方法・活用方法がわかる
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
住宅業界関連資格を取得するメリット
住宅業界に限らず、仕事で使える資格を取得することは業務・キャリアにおいてアドバンテージとなります。具体的なメリットとしては次の3つがあります。
知識を取得・整理できる
資格は一定の知識があることを証明するツールです。そのため資格取得のために勉強すると自然とそのテーマに関する知識が身に付きます。
もちろん知識が体系的に身についていることは営業するうえでの自信となり、お客様からの信頼にもつながります。
よって、住宅業界で何か知識を身に着けたいと思うのであれば、そのテーマに関連した資格取得を考えたほうが良いです。
就職・社内キャリアアップに有利
キャリアを考える上でも資格は必要です。就職面接を受ける際に資格は自分の能力を示す客観的な証拠になり、転職成功確率アップ、条件交渉で有利な材料になります。
また、社内のキャリアアップについても同様で、資格に応じて資格手当を設定している会社も数多く存在します。昇進・昇給の考慮事由になることも当然想定されます。
一部の資格では独占業務ができる
特定の資格を取得していないと扱えない業務を「独占業務」と呼びます。独占業務がある資格は取得が難しいことが多い反面、業務に欠かせないスキルなので重宝されます。
住宅業界においても宅建士、建築士などの独占業務を抱える資格があり、これらの資格取得者は組織運営に欠かせない人材です。
住宅業界で有利な5大資格
住宅業界で働く上で取得しておきたい資格は次の5つです。いずれの資格も取得することによって仕事の幅が広がるので、住宅業界での長期的なキャリアを考えているのであればいずれかの資格取得に挑戦すると良いでしょう。
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 建築士
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 住宅ローンアドバイザー
- インテリアコーディネーター
宅地建物取引士(宅建士)
宅地建物取引士は通称、宅建士と呼ばれる資格で不動産の仲介をする際に重要な資格です。大卒や実務経験などの受験資格はないので誰でも受験できて、不動産契約の重要事項の説明は宅建士しか行えないなど独占業務もあるのでコストパフォーマンスは良いといえます。ただし、毎年の合格率は15%程度で推移しているので難易度は若干高めです。
売買や賃貸の仲介においては抜群の効果を発揮する資格ですが、注文住宅やリフォームの営業においては活用しにくいので、住宅営業の中でもどの営業を担当するかによっておすすめ度が変わりやすい資格です。
- 住宅業界の中でも不動産の売買や賃貸の仲介をメインに仕事を考えている
- 住宅取引におけるルールについて知りたい
建築士
建築士は住宅の設計に関する資格です。営業関連の部署であれば建築士まで取得する必要はないことも多いですが、注文住宅で専門的な回答が求められるケースや設計・建築部門で働きたい場合は保有しておく方が良い資格です。
資格には1級、2級、木造建築士の3種類がありますが、いずれも四大卒であること、実務経験があることなど一定の受験要件が課されます。
持っていると住宅業界で働くうえで非常に便利ですが、大学で建築科や土木科を卒業したり、技術者として働くことを決めていたりと、特に専門性を極めたい住宅業界関係者が無理して取得するほどでもないと考えられます。
- 大学の専攻が建築や土木だった
- 設計など専門知識が生かせる部署・職種で働きたい
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナーは住宅ローン、資産運用などお金のこと全般のアドバイザーができる資格です。独占業務はありませんが、汎用性が高い資格なので住宅業界から金融業界に転職する際も活用できます。
住宅営業の場合は、銀行からの借り入れや保険といった金融関連のサポートも実施しなければならないので住宅業界でも便利な資格です。
FP3級は誰でも受験できて、2級は実務経験もしくは3級合格、1級は2級合格や実務経験が条件となります。1級を除けば試験自体の難易度がそれほど高くはなく、キャリアの選択肢も広げられるのでとりあえず検討しておくべき資格です。
ただし、住宅営業に必要ないことも含めて広範な金融知識が求められるので、住宅営業のためと考えたときには少しコストパフォーマンスは悪めです。
- 住宅業界以外にも金融業界への転職も検討している
- 住宅営業をライフプランという切り口から深堀したい
住宅ローンアドバイザー
FPまで広範な知識取得は面倒だけれども、不動産に関わる金融知識だけピンポイントで必要な場合におすすめなのが住宅ローンアドバイザーという資格です。
住宅ローンアドバイザーはその名の通り、住宅を購入する人に対して住宅ローンのアドバイスをすることに特化した資格です。FP試験と比較して範囲が狭いのはもちろん、養成講座から効果測定試験を行うと、合格率7~8割と高確率で資格が取得できます。
それほど手間がかかるわけではないので住宅営業でローンの案内を担当する場合は保有しておくにこしたことはありません。
- 住宅ローンの相談営業の精度を高めたい
- 住宅営業として何らかの肩書きが欲しい
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは住宅のインテリア計画、商品選択のアドバイスを行う資格です。住宅営業をインテリアコーディネートという視点から深堀することにより、お客様により深みのある提案ができますし、家具の販売も行っている工務店の場合は客単価アップにもつなげられます。
受験資格はありませんが、合格率は25%程度と少し難易度は高めに設定されています。
関連資格として「インテリアプランナー」「キッチンスペシャリスト」「インテリア設計士」「マンションリフォームマネージャー」「照明コンサルタント」「福祉住環境コーディネーター」といった各テーマに特化した資格も存在します。
- インテリア、住環境設計の視点から住宅営業を深堀したい
- インテリアを含めて提案することにより客単価アップを狙いたい
働きながら資格を取得するためには?
住宅業界で活用できると紹介した上記の資格ですが、1級建築士のように大学時代から建築士を目指して取得することの多い資格を除けば、ほとんどの資格は社会人になってから取得に挑戦しようと思い立つことが多い資格です。
よって、多くの方はこれらの資格を働きながら取得しようと考えるはずです。上記の資格のうち、FP3級や住宅ローンアドバイザーといった資格は短期間の自習でも十分に合格が期待できますが、宅建士やFP1級といった資格取得を目指すのであれば自習だけでは困難なこともありますし、受験勉強期間が半年以上必要になります。
こういった資格は独学だけではモチベーションが続かないこともあるので、適宜通信講座や資格予備校を活用するのも検討してください。
資格を取得して住宅業界で活躍する
住宅業界には上記5つの仕事で活用できる資格があります。資格を取得することにより、仕事の幅は広がり、転職・社内キャリアでも有利なポジションを築きやすくなりますが、ただ保有しているだけでは意味がありません。
独占業務を除けば、資格はその知識を活用しないと効果を発揮しないので宝の持ち腐れとなってしまいます。本記事の「こんな人におすすめ!」の欄で説明した通り、同じ住宅業界の資格でも各資格の活かし方は微妙に異なるので、自身のキャリア構想にあった資格を取得するべきです。