近年、ショールーム、イベントなどを中心に集客してきたリフォーム業界においてもホームページ集客の重要度が増しています。
リフォーム会社のホームページはただ存在すれば良いわけではなく、集客に役立つものでなければなりません。
本コンテンツではリフォーム会社のホームページ作りに関する原則および参考にしたい事例について紹介します。
- リフォーム会社のホームページ作りで守るべき原則
- リフォーム会社のホームページの事例
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
何のためにリフォーム会社がホームページを作り込むのか
リフォーム会社がホームページを作り込む目的はホームページを通じて問い合わせを獲得することです。
そのため、経営者が自社のホームページは立派だと思っていても、ホームページ経由の問い合わせがなければ成功とはいえません。
典型的な失敗として挙げられるのが、「お洒落過ぎてなんだかよく分からない」、「立派な会社だということは理解できるがリフォームの相談をしようとは思えない」という印象をユーザーに与えてしまうことです。
こういった印象を読者に持たれない、問い合わせを発生させるホームページ作りにはいくつかのコツがあります。
リフォーム会社のホームページ作りの原則
リフォーム会社がホームページを制作する際に守りたい原則に関してマーケティング編4つ、デザイン編4つの合計8つを紹介します。
これらの原則を守ることによって一般的に問い合わせ獲得に使用できるといわれる水準までホームページのクオリティを引き上げられます。
リフォーム会社のホームページ作りの原則【マーケティング編】
ホームページから問い合わせを獲得する工程は「Webマーケティング」の1種です。
マーケティングの視点からホームページを構築することにより、ユーザーが問い合わせをしやすい、効率的な集客ができるホームページが完成します。
リフォームサービスとしての特徴を明確化する
まず大切なことは、リフォームサービスの特徴を明確にすることです。
ホームページを持つリフォーム会社は数多く存在するので、ただ「リフォーム工事できます」というアピールだけでは、ユーザーは問い合わせようとは思いません。
何らかの特徴を打ち出す必要があります。
典型的な特徴のアピール方法は次のとおりです。
何らかの工事に特化している
水回り、屋根、バリアフリーなど特定の箇所やテーマに沿って特化するのがオーソドックスな方法です。
特に商圏人口の多い都市では、リフォーム会社も数多く存在するので特定のテーマに特化して差別化するのが典型的な戦略です。
地元に特化して施工事例、事業年数をアピールする
地方商圏の場合、競合リフォーム会社が少なかったり、特定の種類の工事に特化したりするとすぐに売上が頭打ちになるケースもあります。
そういったときの打ち出し方としては特定のテーマに特化させずに、地元に特化していることや、地域に密着して長期間リフォーム工事を営んでいることをアピールします。
目安として30年程度はリフォームに限らず事業歴があった方が良いです。
ビフォー・アフターの施工事例を豊富に掲載する
リフォーム会社のホームページにおいて重要なコンテンツは施工事例です。
施工事例を丁寧にかつ豊富に乗せたホームページの方が問い合わせを獲得しやすい傾向にあります。
とくに施工事例を掲載する際はビフォー、アフターの形式で紹介するべきです。
リフォーム工事は契約した後に施工してはじめて効果が発生するため、リフォーム工事をするとどのように住宅が生まれ変わるのかを具体例で見せることはマーケティング・営業上とても重要です。
施主様の許可をもらった上で、掲載できる施工事例については積極的にホームページに掲載してください。
予算の決まり方、価格などの明朗さをアピールする
一昔前はリフォーム工事といえば、料金体系が不明瞭、表向きの値段を見て問い合わせて、具体的に見積もりを依頼すると想定以上の金額になるといった業者も存在しました。
もちろん、工事は現場の状況によってある程度、必要な原価も変わるので仕方ありませんが、こうしたイメージからリフォーム業界といえばどこか疑心暗鬼で問い合わせをしようかしまいか迷うユーザーも存在します。
こういったユーザーを獲得するためには、工事予算の決め方を説明したり、価格の明朗さをアピールしたりすることが必要です。
集客方法から問い合わせまでの導線をイメージする
ホームページはただ存在するだけで成果が出るのではなく
- 何らかの手段でホームページにユーザーを集客する
- ホームページを見てこの会社に依頼したいと思わせる
- 依頼したいと思ったユーザーが資料請求や電話など具体的な行動を行う
という3つの条件をクリアしてはじめて問い合わせが発生します。
2については説明しましたが、1,3もホームページ制作では重要です。
1についてホームページにユーザーを集める方法は、Web広告、検索エンジン、SNS、メールマガジンなどさまざまな手段が考えられます。
3についてはホワイトペーパー、イベントのようなお客様が接触したくなるような機会を作ることが必要です。
ホームページをどのように作るかだけではなく、1~3をどのように達成するのかという視点からホームページ集客を考えてください。
参考:工務店集客まとめ 工務店の集客手段全部解説!
参考:リフォーム集客大全
参考:工務店によるホワイトペーパーマーケティングの活用法
リフォーム会社のホームページ作りの原則【デザイン編】
リフォーム会社のホームページを制作する際は、デザインの観点からも注意すべきことがいくつかあります。
これらの要素はリフォーム会社に限ったことではなく、ホームページ制作において重要な事です。
構成要素にメリハリをつける
ホームページはさまざまな構成要素に分解できます。
会社概要、よくある質問、施工事例、イベント案内などトップページは色々な要素によって構成されています。
こういった要素は全て一律ではなく、コンテンツによって優先順位は異なるはずです。
そしてホームページ制作においては優先順位に従って、構成要素にメリハリをつける必要があります。
たとえば、バナーの大きさやフォントサイズを変えたり、色味を目立つように調整したりといった方法が考えられます。
問い合わせボタンは目立つようにする
良いホームページでも最終的に問い合わせが発生しないと意味がありません。
そのためホームページ上で問い合わせボタンは目立つように配置するのが原則です。
目立たせるデザイン上の方法としては
- 赤や黄色、ベースデザインの反対色など目立つ色味でボタンを作る
- JavaScriptなどを活用してボタンに動きをつける
- 追従型バナーにしてスクロールしても常に画面上に存在するようにする
といった方法が挙げられます。
奇抜なデザインにしない
カッコよさや見栄えを追求して奇抜なデザインにしているホームページも存在しますが、原則としてこのようなことは行うべきではありません。
奇をてらったデザインにするとユーザーが直感的にホームページ内の閲覧したい情報にたどり着けなくなるからです。
パソコン、スマートフォンのいずれでも見やすいオーソドックスなレイアウトのホームページ作りを徹底してください。
表示速度とページの作り込みを両立させる
ホームページを作り込んでデータ容量を大きくするほど、ホームページの表示速度が低下する傾向にあります。
そして、ページを作り込むほど見栄えが良くなり反響率があがる傾向がありますが、読み込むのに時間がかかるのでいらいらしてユーザーが離脱する傾向があります。
このような二律背反の条件を擦り合わせて、読み込み速度が十分早くて、満足できる作り込みといったバランスを目指す必要があります。
リフォーム会社が参考にすべきホームページ7選
以上のような原則を踏まえたうえで、リフォーム会社がホームページを制作するときに参考にしたい事例をその理由とともに7社分紹介します。
大建建設
ホームページ経由で月間20件〜25件程度の問い合わせを獲得しているリフォーム会社です。
問い合わせ獲得に貢献しており、このリフォーム会社のホームページの特徴となっているのが、施工事例の豊富さです。
ビフォー・アフターの写真で工事の効果を明示しつつ、価格、工期など実際に工事をする際に気になる情報についてもきちんと掲載しています。
さらに施主様の要望や担当者のコメントといった工事のストーリーを想起させるコンテンツも掲載しているのが通常のリフォーム会社のホームページよりも丁寧です。
施工事例を作る際にはぜひ参考にしたいホームページの1つです。
山口建設
成果を上げられるオーソドックスなデザインのホームページを作りたいときに参考にしたいのが、山口建設のホームページです。
選ばれる理由、施工事例、お客様の声、口コミサイトの情報といった工事の品質や会社の信頼性を訴求するコンテンツを丁寧に掲載しています。
スタッフ紹介で実際の従業員の写真やプロフィールを掲載することにより、親しみを持てるようにもされています。
工務店に対する印象を良くしたい場合は、このホームページに掲載されているコンテンツを研究してください。
たかはし
LINEやイベント、無料診断など問い合わせ獲得のための施策に丁寧に誘導しようとしているホームページです。
また、リフォームの流れやどのようなコンセプトで工事をしているのかなどベーシックなこともホームページ内のコンテンツで伝えています。
リフォーム工事をきちんとメニュー化していて、「ペットと一緒に暮らす家」「子どもがのびのび育つ家」といったコンセプト軸でリフォーム工事を提案している点がポイントです。
groove agent
月間30万アクセスを記録しているリフォーム会社のホームページです。
30万アクセスを実現できる秘訣はホームページのコンテンツの豊富さにあります。
施工事例に加えて「中古購入の教科書」というメディアを設置し、中古物件購入、リノベーションに役立つコンテンツを掲載しています。
検索エンジンからユーザーを獲得するために使われるいわゆるSEO対策にも取り組んでおり、キーワードを適切に挿入している点もアクセスが多い要因だと考えられます。
またこういったメディア運用だけではなく、アフターサポートのWebページを作って顧客フォロー、紹介誘導を行うといった丁寧な姿勢にも注目すべきです。
ハウジング重兵衛
アイキャッチに目をひくイベントチラシを掲載しており、読者を楽しい気分にさせるホームページです。
商品代金+基本工事費のコミコミ価格でリフォーム工事をメニュー化することによりホームページの中で具体的な工事と価格を訴求している点が斬新です。
また、スタッフ紹介、アフターサポートといったリフォーム会社がホームページに入れるべきオーソドックスなコンテンツも掲載されているので、王道のホームページ作りの事例としても参考になります。
さらに、ホームページに加えて、「新築・注文住宅用」「キッチンリフォーム」「増改築・リノベーション」などテーマに応じて専用ホームページを設置していることからもWeb集客に力を入れていることがうかがえます。
屋根の救急車
屋根の塗装や修理に特化したリフォームを獲得するためのホームページです。
名古屋という大商圏において、特化することによって問い合わせを獲得しようとしています。
屋根無料診断を集客用のフックとすることによって問い合わせの間口も広げています。
また色の使い方についても注目すべきで、黄色、青色という目立ちやすい組み合わせを使いつつ、重要なところは赤色で協調しており、非常に目を引くデザインです。
施工事例が毎日のように更新されていることもポイントで、更新頻度の高いホームページの方がユーザーは安心して問い合わせできます。
仲根石工造園
高品質なサービスを提供していることをアピールしたいときに参考にしたいホームページです。
自社のサービスの品質の高さをアピールできるようにアイキャッチの画像には人目を引く画像を設定しています。
また、自社が選ばれる理由、コンセプトといった品質、世界観を訴求するためのコンテンツもきちんと用意されており、自社の工事の品質をユーザーに伝えています。
注目すべきは「信長の城づくり」というコンテンツで一見したところリフォーム会社と関係なさそうですが、きちんと読むと自社の石工に関する価値観をきちんとアピール、リフォーム会社としての品質の高さを想起させています。
さらに、SEO対策用に文字コンテンツを用意しているだけではなく、ユーザーに外構・エクステリアに興味を持ってもらえるように動画も掲載しています。
他リフォーム会社の良い所を模倣してよりよいホームページを作成しましょう
以上のようにリフォーム会社のホームページ作りのポイントおよび良い事例について紹介しました。
これらの事例はあくまでも良い事例の一つであって、他にもリフォーム会社の良いホームページ事例は数多く存在します。
これらの事例をただ知っているだけではだめで、自社の集客を改善するためには実際にこれらの事例を模倣して自社でも集客できるかを確認する必要があります。
必要に応じて、本コンテンツで説明した原則および事例をもとに自社ホームページの改善を行ってください。