リスティング広告の成否は広告文の出来によって決まります。ただし、画像作成などと比較して定まった手続きで作成すれば素人でも一定以上のクオリティで作成できるのが広告文でもあります。
本コンテンツでは、工務店内が自前でリスティング広告を運用する際に知っておくべきリスティング広告文の作成方法について解説します。
- リスティング広告での検索キーワード・訴求ポイントの決め方
- リスティング広告の広告文作成のポイント
本コンテンツの学習にかかる目安時間は5分〜10分程度です。
本コンテンツの目次
広告文の重要性
リスティング広告において、広告文は次の3つの要素に関係します。
- クリック率:ユーザーがその広告をクリックする確率。工務店の魅力が伝わらないとクリックされなくてアクセスが集まらない
- 品質スコア:Google広告システムがその広告に対してつけた点数。品質スコアが低いと広告を表示するコストが高くなる
- コンバージョン率:Webページにアクセスして問い合わせが発生する確率。広告文の内容が誘導先のページの内容とかけ離れているとユーザーは問い合わせをしない。
よって、仮に広告文の出来が悪いと、アクセスが集まらないし、広告費が高い、そして問い合わせも来ないといった三重苦に陥る可能性があります。
誰でも広告文は作成できる
ただし、画像や動画制作などにおいては専門ツールを使いこなす必要があるのに対して、広告文を作成するにあたっては特別なツールは必要ありません。決まった手順通りに作成すれば、マーケティング初心者であってもすぐに一定以上のクオリティの広告文が作成可能です。
そのため、マーケティング業務を内製化するのであればリスティング広告運用、広告文作成はとっつきやすいテーマの1つです。
素人でも成果が出せるリスティング広告文作成4つのステップ
マーケティング初心者であっても、次の4つのステップを踏むことによって一定以上のクオリティの広告文が作成可能です。それぞれの要素について説明します。
- 検索キーワードを決める
- 競合の広告文をチェックする
- 訴求ポイントを決める
- 少ない文字数で多くの訴求ポイントを入れる
リスティング広告で狙う検索キーワードを決める
リスティング広告は検索キーワード(検索クエリ)と広告文が一致しなければなりません。例えば、「リフォーム 水回り」という検索キーワードに対して「木の家に強い工務店です!」のような広告文を当ててもユーザーの反応は薄くなります。
狙う検索キーワードによって作成するべき広告文は違うはずなので、まずは狙いたい検索キーワードを全て出してください。その上で共通の広告文を使用できそうなキーワードをグルーピングして、どのようなタイプの広告文を何種類作らなければならないのかを明確にしてください。
競合のリスティング広告文をチェックする
狙っているキーワードに対して、どのような工務店がどんな広告を出しているかをチェックします。厳密的には検索結果において掲載される広告は毎回微妙に異なるので、完璧に競合をチェックしなければならないわけではなく、チェックできる範囲で大丈夫です。
競合の広告文でチェックしたいのは、訴求の仕方です。例えば「最大30%OFF」、「先着30名様」のように広告をクリックしてもらうために様々な訴求が各広告文で行われていますが、具体的にどのような訴求をしているケースが多いのかを確認します。
リスティング広告の訴求ポイントを決める
競合の広告文とどのように差別化できるか、上回れる要素はないかを考えて訴求ポイントを決めます。
例えば、割引率が高い場合は、競合の「最大30%OFF」に対して自社は「最大40%OFF」とするのも良いですし、競合が「東京都のお客様向け」と書いてあるならばあえて自社では広告を細かく設定して「新宿のお客様向け」「港区のお客様向け」のようにより小商圏を狙って広告を細かく出すなどの手法が考えられます。
また、競合と関係なく、木の家の事例が豊富なら「国産材を活用した木の家の建築実績多数」、老舗工務店ならば「創業100年以上!××市密着」のように工務店の持つ強みから訴求ポイントを抽出する方法もあります。
少ない文字数で多くの訴求ポイントを入れる
リスティング広告で設定できる文字数は限られています。よって、少ない文字数の中に重要な訴求ポイントを多く盛り込まなければなりません。
Google、Yahoo!共に広告文については見出し1~3(各全角15文字)、説明文1~2(各全角45文字)が設定できます。ただしスマホなど小さいディスプレイで広告を見る場合は見出し2以降、説明文2以降は表示されない可能性も考えられます。重要な訴求ポイントは見出し、説明文ともに1から埋めておく方が無難です。
パズルのような感覚で重要な訴求ポイントからできるだけ多く挿入して文章が作成できれば、広告文は完成です。
結果を見ながらクリック率の低い広告文は改善する
完成した広告文をリスティング広告に設定すればそれで終了ではなく、実際に広告を運用した結果を元に、広告文の改善作業が必要です。改善すべき広告文を抽出する際の指標は「品質スコア」「クリック率」の2つです。
品質スコア
品質スコアは、他の広告主と比べた広告の品質の目安をスコアで表示する診断ツールです。
スコアは 1~10 の数値で示され、キーワード単位で確認できます。品質スコアが高ければ、そのキーワードを検索しているユーザーにとって、広告とランディングページ(LP)が、他の広告主のものと比べて的確で有用であることを意味します。
品質スコアが6点以下になっている場合は、なんらかの改善をした方が良いです。検索キーワード、広告文、ランディングページ(LP)がかみ合っていないことが多いので、一度ユーザーの目線から違和感なく広告を受け入れられるかをチェックしてください。
クリック率
クリック率は広告の掲載順位に比例します。平均掲載順位1位の広告と5位の広告のクリック率が違うのは当然なので、平均順位の割にクリック率が他の広告よりも低い広告文を見つけてください。
改善方法は「素人でも成果が出せるリスティング広告文作成4つのステップ」と同様で、競合の広告を見ながら自工務店の広告文のどこか他工務店よりも魅力が低いのかを考えます。
リスティング広告文作成のポイント
広告文を作成する際に注意したいのは次の5つです。それぞれのポイントについて詳しく解説します。
- キーワード・広告文・ランディングページ(LP)に統一感を持たせる
- 訴求ポイントを入れすぎない
- 定量的にメリットを説明する
- 限定感を訴求する
- 表示オプションを活用する
キーワード・広告文・ランティングページ(LP)に統一感を持たせる
キーワード・広告文・ランディングページ(LP)に統一感がなければ、最終的なCPA(一件問い合わせを獲得するコスト)は悪くなります。
例えば、検索キーワードは「キッチン リフォーム」、広告文は「創業60年木の家が得意な工務店」、LPは「バリアフリーへの改修工事が得意な工務店であることをアピールするWebページ」であればユーザーは混乱してしまいます。狙うキーワード単位で、これら3つのバランスが最適化されているか確認してください。
参考:LPO(ランディングページ最適化)のやり方
参考:より効率的に集客を!CPAの改善方法
訴求ポイントを入れすぎない
訴求ポイントを出来るだけ入れると広告文作成方法で解説しましたが、訴求ポイントの入れすぎはかえってユーザーを混乱させます。
例えば、安さをアピールする一方で高級感をアピールしたり、すぐ工事できると書いているのにお客様の要望をじっくり聞くといったように相反する訴求ポイントを同時に入れるとユーザーはどのような特徴を持った工務店か分からなくなります。
訴求ポイントは数が多いに越したことはありませんが広告文全体の統一感はチェックしてください。
定量的にメリットを説明する
例えば、「顧客満足度96%」「最新キッチンが定価の30%オフ」といったようにメリットを説明する際はできるだけ定量的に説明するべきです。
ちなみにリスティング広告において、地域No1といったように根拠が判明しない広告文は誇大広告、根拠のない広告として審査に落ちる可能性があるので、数字についても根拠ある数値を用いるべきです。
限定感を訴求する
「限定20組にご案内」「5月25日まで」「箕面市のお客様限定」といったように限定感やあなただけ感を出すことも広告文作成においては有効です。これは競合の広告文をチェックしても何を訴求すれば良いのか分からないので、工務店内の販促計画を元にどのように限定感を出すべきかを考えてください。
表示オプションを活用する
広告見出し、説明文以外にも広告表示オプションを活用すれば次のような情報も追加で表示できます。もちろん情報が豊富な方がユーザーのクリック率も高まりやすいので適宜活用してください。
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リスティング広告の広告文はユーザー目線で作成する
リスティング広告では少ない文字数で相手に自工務店の魅力を伝えなければなりません。そのため広告文作成は重要ですが、一定の手順を踏めば誰でも広告文作成は可能です。また、広告文は作成すればそれで終わりではなく、クリック率や品質スコアを見ながら日々改善していくべきです。