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工務店ホームページ成功事例とデザインのコツ

お客様はインターネットで下調べをしてから、問い合わせる工務店を決めるということで、多くの工務店がホームページを保有しています。しかし、ホームページを使って問い合わせ獲得、利益の創出につなげているといえる工務店はそこまで多くありません。本コンテンツではホームページを活用したマーケティングを成功させるポイント、デザインのコツなどを良いホームページの事例とともに紹介します。

本コンテンツで学習できること
  1. ホームページの種類と特徴
  2. 成果を出すためのホームページデザインのコツ
  3. 参考にできるホームページ事例

本コンテンツの学習にかかる目安時間は10分〜15分程度です。


3種類のホームページ

ホームページと一口に言っても、大きく分類するだけで3種類のホームページが存在します。そして、どのタイプのホームページなのかによって集客戦略もデザインの仕方も異なります。まずは3種類のホームページについて紹介します。

コーポレートサイト

コーポレートサイトとはほとんどの人が思い浮かべる、いわゆる「ホームページ」です。工務店の会社概要や求人募集、業務内容や施工実績について記載しています。会社のことを紹介するホームページなので、ポータルサイトから誘導したり、工務店について名前は知っていてどのような工務店なのかを調べたりしている人のためのホームページです。

現代のユーザーは必ずと言ってよいほど、購買までの過程においてWebでその会社について下調べするので最低限どの工務店も保有しておくべきです。

ブランドサイト

ブランドサイトとは工務店が保有している住宅ブランドのことを紹介するホームページです。コーポレートサイトが「会社」のことを紹介するのに対して、ブランドサイトは「住宅ブランド」を紹介するので自然と掲載すべきコンテンツは異なります。

住宅ブランドの良さを訴求するためのホームページなのでより成果を狙う目的がコーポレートサイトより強いのが特徴です。

必ずしもブランドサイトと別立てで保有する必要はなく、コーポレートサイトの一部に住宅ブランドのページが存在しているパターン、工務店として1ブランドしか保有していないのでコーポレートサイトとブランドサイトが融合したホームページになっているパターンなども存在します。

ランディングページ(LP)

ランディングページ(LP)とは1枚物のWebページで問い合わせ獲得に特化したホームページのことを指します。どのような形式のものをLPと呼ぶかは状況によって異なりますが、本コンテンツでは概ね以下の性質を持ったホームページをLPと呼びます。

  • 自然検索などの無料の集客施策で集客しない
  • 問い合わせ獲得に特化して必要な情報を掲載している
  • ナビゲーションパネルのようにホームページ内を回遊させる仕組みを排除している

 

3種類の中では最も問い合わせ獲得のために特化しており、広告費を支払って集客しそこから問い合わせを獲得するために内容が最適化されています。

その他のホームページ

その他にも住環境に関するライフハック情報を公開してSEO対策経由でユーザーを集めて、そこからメルマガ・イベントなどに誘導、注文の獲得を狙っていくメディアサイト、お客様の悩みを解決するソリューションについて紹介するソリューションサイト(工務店のホームページとしてはあまり存在しませんが)などさまざまなタイプのホームページが存在します。

ホームページのデザインのコツ

以上ホームページは3種類存在しますが、共有するデザインの注意点が5つ存在します。次の5つのポイントを満たしたホームページのデザインになっているか、確認してください。

デザインそのものだけではなくマーケティング的な仕掛けが必要

5つの原則で一番重要なのは、ホームページをデザインする際はデザインそのものだけで考えてはいけないということです。マーケティング(お客様から注文を獲得する)視点、デザイン(お客様に狙った印象を与える)視点の2つが必要になります。

マーケティング視点とは、具体的には他の4つの原則のことを指します。まずマーケティングの視点でどんなホームページにするべきかを考えて、そこからデザイン視点で具体的なホームページデザインに落とし込むべきです。

順番を逆にしたり、デザイン視点だけでホームページデザインをしたりすると、お客様からどう注文を獲得するかの視点なしで漠然とホームページ制作の決裁権者が良いと思えるホームページが出来上がるので、実際のお客様からの注文獲得までの導線ができあがっていないホームページが誕生しがちです。

集客の方法を後から調整できますが、ホームページをリニューアルするのには多額の費用が必要になるので、マーケティングの視点からのホームページ制作を心掛けてください。

奇をてらった構成にしない

デザイン視点だけで制作されたホームページは奇をてらった構成になりがちです。たとえばハイブランドのホームページは開くとイメージを訴求する動画が流れてきたり、ビジュアルに集中してもらうためにボタンを見えやすい位置から極力排除したりといったデザインになっていることが多いです。

お洒落なホームページにしたいという視点からホームページデザインをすると、こういったハイブランドのような構成になりがちですが、こういったデザインにすると成果を出すのが困難になります。

こういったハイブランドの場合はすでにブランドの認知度が高く、多少使いにくいホームページでもユーザーは我慢して閲覧してくれます。一方でまだハイブランドとして認知されていない住宅ブランドの場合、ホームページが奇をてらったデザインで使いにくいとなればユーザーは離脱します。

よって、構成自体は奇をてらったデザインにせずに、他の工務店のホームページでも見られるようなオーソドックスなレイアウトにすべきです。

CTAがわかりやすい場所に設置されている

CTAとはCall To Action、すなわち訪問者に特定の行動(主に問い合わせ、注文)を促すためのテキストやボタンのことを指します。

ホームページの分かりやすい部分にCTAを配置する、どこをスクロールしても自然とCTAが画面の中に納まるようにするのがホームページデザインの原則です。

ただし、あまりにCTAが目立っていると売り込み感が強い印象を訪問者に与えてしまうので離脱に繋がってしまいます。売り込み感を感じさせないかつCTAが適度に配置されているデザインのバランスは一朝一夕では完成しないので微調整が必要です。

CTAは成約率に大きな影響を与えるので、A/Bテストなどを使って細かい改善を繰り返している事業者が多いです。たとえば、「資料請求」というボタンがある場合、そのボタンが赤色なのか、青色なのかという微妙な違いでも問い合わせ獲得率は変化すると言われています。

ホームページ製作段階で最適なレイアウトを模索する事、完成した後は最適なCTAのデザインを追求することの2点が成果を出すために必要です。

ホームページ作りと集客はセットで考える

ホームページが存在するだけでは問い合わせは発生しません。そこに集客を実施して訪問者を集めてこそ問い合わせは発生します。

よって、成果をあげるためには「どのようなホームページを制作するか」と「どうやってホームページに集客するか」をセットで考えるべきです。

たとえば、コーポレートサイトは基本的に工務店の名前をすでにどこかで知っている、そのエリアの工務店でどこか良いのかを調べているユーザーがターゲットになるのでSEOやMEOといった手法が集客施策の中心になります。
一方でLPは基本的にSEO対策ができないので、有料の広告施策(SNS広告や検索連動型広告など)で集客を行うのが一般的です。

この他、どのようなお客様をターゲットにするのか、そのお客様にアプローチするのにはどのような媒体にどのようなデザインの広告を出稿すれば良いのかなど、工務店ごとの細かい集客戦略に合わせてデザインすべきホームページは微妙に異なってきます。

もちろん集客の成果を確認した後で広告施策の調整を行うことはありますが、少なくともホームページ製作段階では一度集客施策に関して構想しておくべきです。

提供している住宅ブランドのイメージとデザインを合致させる

提供している住宅ブランドのイメージとデザインを合致させることが必要です。具体的にはマーケティング的な視点から住宅ブランドの強み、消費者に与えたいイメージなどを言語化すること、そのブランドのターゲットとなる消費者のペルソナを設定してください。

ホームページ自体は制作会社に依頼すれば作ってくれますが、このイメージが曖昧だと戦略自体がぼやけてせっかくホームページを制作しても成果が出せなくなる可能性もあります。

社内で十分に話し合ったり、コンサルタントに議論に参加してもらったり、あるいは制作会社と丁寧に話し合いをして自社のブランドについて深掘り、ターゲット像を明確にしてください。

参考にしたいホームページのデザイン事例

以上のデザインのコツを踏まえて、どのようなホームページを作成すれば良いのかについて事例と共に解説します。

必要充分かつシンプルに構成したコーポレートサイト(株式会社近藤建設興業)

会社の情報を過不足なく伝えてかつシンプルな構成でお客様にセンスの良さをアピールしたい際に参考にすべきホームページがこのホームページです。

通常、1ページ当たりの情報が少ないと無機質、物足りない印象を訪問者に与えがちですが、このホームページの場合は明るい写真を使って巧みにお洒落さを漂わせています。

シンプルでもお客様がこの工務店に相談したいなと思わせるためのコンテンツは充分に揃っており、家づくりに関してこだわっているポイント、アフターフォロー(点検や保証について)、施工事例など工務店のホームページで公開しておくべき情報は一通りあります。

また、土地情報、住宅金利のように実際にもう住宅を建てたい、リフォームしたくなっているお客様が知りたがるであろう情報についてもきちんと公開しているので、土地の相談からそのまま住宅の商談にスムーズに移行できる仕組みができています。

コーポレートサイト×オウンドメディア(株式会社ジョンソンホーム)

新築住宅、中古リノベーション、家具・インテリア、不動産など住宅に関するソリューションを総合的に提供しているビルダーです。コーポレートサイトにライフスタイルメディアの「はれ暮らし」、住宅コラムの「ie JOURNAL」という2つのオウンドメディア(メディアサイト)を開設しており、住まいに関する情報を総合的に提供しています。

はれ暮らしの掲載内容はごはん、掃除・お手入れ、インテリアなど多岐にわたりメディアサイトだけでも充分に読み応えのある内容になっています。Is JOURNALには家づくりに関してお客様が気にしそうな情報を具体的に掲載しており、実際に住宅を購入しようとしているお客様の興味関心を引けます。

コーポレートサイトにこういったメディアサイトを併設することにより自然検索経由でさまざまなお客様がコーポレートサイトに流入する効果が期待できます。

写真で魅せるホテルライク×海外テイストのホームページ(株式会社アートハウス)

コーポレートサイト兼ブランドサイトの事例として参考にしたいのがこのホームページです。工務店としてお客様に提供すべき情報が揃っているのはもちろん、注目すべきは写真の完成度です。ただ明るいだけではなく、明暗を巧みに表現した写真を使って住宅の価値を訴求しています。

もちろん、文字ベースのコンテンツもSEO対策やマーケティング施策としては必要ですが、やはり住宅が商品なので施工事例の写真が訪問者にとっては大きなインパクトになります。

施工事例の紹介についてもシンプルで、他社のように施工のポイントを文字で解説するのではなく、施工事例の写真とルームツアー動画によってその住宅の価値を訴求しています。YouTube、instagram、TikTokの3種類のSNSを駆使していることからもSNS集客に力をいれていることがうかがえます。

ガレージハウスに特化したブランドサイト(株式会社岩橋建築)

ガレージハイスに特化したブランドサイトでコーポレートサイト自体は別に存在します。店主のガレージハウスに対するこだわりについて提示したうえで施工事例についても豊富に紹介しています。

お客様の声についてはただ施工事例について紹介するのではなく、オーナーの愛車やその愛車との出会いから紹介するといったように車好きのお客様の心をくすぐるように細部まで細かくこだわっています。

「ガレージハウス」のように特定のスタイルの住宅に特化する場合はオーナー様の価値観をできるだけ分析することも必要ですし、このホームページのようにさまざまな事例を紹介して、お客様に自分もこんな住宅を建てたいと思わせる仕掛けも必要です。

住宅展示場への誘導LP(アイ工務店京滋支店)

住宅展示場へ誘導するためのLPです。LPでは問い合わせ・資料請求・住宅展示場への誘導など複数のコンバージョン(ユーザーに達成して欲しい目的)を設定せずに、1つに絞ることが原則です。このLPの場合は住宅展示場への誘導に絞って、そのために必要な情報に特化して情報提供をしています。

訴求ポイントとしては単なる展示場誘導ではなく「モニター募集」というハードルが低い文言を使い、限定5棟のようにすぐに注文しないと枠が埋まってしまうのでは?とユーザーに急いだほうが良いと支給しています。

また成約特典で住宅設備を無料でアップグレードできるといった訴求点もポイントです。こういった特典は実際に住宅の注文を受けないと費用は発生しないので、広告費としてはコントロールしやすいメリットがあります。

単品一点突破の価格訴求LP(アールシーワークス株式会社)

単品に特化して注文を獲得する、安さを訴求して多くのユーザーの注目を集めるためのLPの事例です。ホームページを開くとすぐに「ビルトインコンロが卸値価格で交換・修理・設置」できることが目につき、その後具体的な価格事例(しかも50%OFFのような衝撃的な割引率)が並んでいます。

また、安いだけじゃないのと思われるお客様のために、24時間年中無休、無料出張見積もり、有資格者責任施工などのように便利だと思わせる文言が並びます。

もちろん、単純に激安価格の工事を普通にWeb広告で獲得すると売上は上がっても利益を創出するのは困難になるのでどの工務店でも真似ができるわけではありませんが、工事を安く提供できる仕組みがある工務店の場合は参考になるLPです。

デザインのコツを踏まえたうえで成功するホームページ制作を

以上のようにホームページデザインのコツとベンチマークしたいホームページの事例について紹介しました。ホームページではデザインを先行させるのではなく、集客を含めたマーケティングの視点でホームページについて考えたうえで、デザインに落とし込むのが制作の原則となります。

本コンテンツで紹介したポイントを踏まえたうえで、ホームページを作成、リニューアルしてぜひ成果をあげてください。

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